第二部 『親しき友』  第∞話−2 『深まる謎』


コンコン
そう、ドアを叩く音が聞こえ、白衣を着た医者らしい男性が入ってきた。
 「どうやら、顔色はよくなったようだね。しかし、君の彼女はまだ目覚めないようだ…
…けれど、心配しなくて大丈夫。じきに彼女も目覚めるだろう」
などどいうことを簡単な検査をされながら言われる。
 「彼女……?(コイツ何言ってるんだ……?)」
 「?……隣のベットに寝ている娘のことだよ。彼女は君の家に居候している、家族公認
の付き合いなんだろ?……違うのかい?」
 「いえ……はい。そうでした……すみません。ちょっと、混乱していたみたいです(…
…隣のベッドって、あいつのことだ…よな?『あっち』の住人が何で『こっち』に住
んでるんだ……?……それともまったくの別人…?)」
 「ふむ。まぁ、無理もないだろう。今日はゆっくり休みなさい」
そう言い残して、医者は病室から出て行く。ドアが閉まる様子を見ながら彼は思った。
 「(いったい、何がどうなってるんだよ…!?)」
つづく

戻る