登場人物・設定


天凪優夜   致命的にヤル気の少ない、19歳の機奏英雄。
       のほほんと、徒然なるままにアーカイアを探索中。
       一見、お人好しのようだが、本当にお人好しかどうかは意見が分かれるところ。
       困っている人を見ると、もっと困らせたくなる生粋のトラブルメーカー。
       対称が他人であれ自分であれ、冗談とはそれが何の慰めにもならない時にこそ言うべきという
       奇妙な信念を持ち、かつ実践している。
 
       ヤル気のなさが原因か、それとも単なるヘタレなだけか、奏甲乗りとしての腕前は三流以下。
       攻撃を躱す事ダケは天性の勘が働くらしいが、相手が複数になると全くダメ。
       その為、よく奏甲を壊しては、ルルカに叱られている。
       但し、悪運だけは強いのか、奏甲が壊れてもケガをした事はない。

       特技は他人をからかうこと。他人のペースを乱すこと。
       厚顔無恥で、誰にでも馴れ馴れしい。
       が、唯一「優しい美人のお姉さん」系には弱い。
       現世に居た頃、このタイプの女性と何かあったらしいだが……。

       ルルカの事は、彼なりに大切にしている模様。
       もっとも、彼の脳内では「困らせる=大切にしている」になっているので、
       二人の関係は人によって意見が極端に異なる。
       
       現世に帰る事には、あまり執着心がない様子。
       この世界で見られる物は、全部見て回るつもりらしい。

       現在は一応「無色の工房」に所属するトラベラー。

      「でも、社会的に見れば住所不定無色だよな、オレ達って」




ルルカ    ヤル気はあっても、致命的に体力の少ない病弱の歌姫。15歳。
       最近は大分、体力もついてきたが、時々戦闘中に貧血を起こすので結構デンジャラス。

       生れてきたその年に、医者から「最初の冬は越せない」と言われた、生粋の病弱娘。
       しかし、温かな家庭と家族に大切に育てられ、現在に至る。
       自分が家族の負担になっていると思い込んでおり、その事に心苦しさを感じていた。

       優夜の歌姫になった事は、彼女にとって大きな転機。
       自分自身の体調はもちろん、金銭管理から奏甲の維持まで、全部彼女が取り仕切らないと
       その日の食事すらままならない日々に突入する。
       毎日に張り合いが出来たのはいいが、果たしてそれが幸せなのか不幸なのかは微妙。

       礼儀正しく、世話好きで真面目。
       初めて優夜と出会った頃は、「怒る」という言葉を知らない無垢で大人しい少女だったのだが、
       誰かさんのせいで最近では見る影もない。
       もっとも、その誰かさんのおかげでどんどん図太く、健康的になってきているのもまた事実。
       これを素直に喜ぶべきなのかどうなのかは、本人にとっても悩みどころ。
       
       優夜の存在は、明らかに頭痛・胃痛のタネなのだが、どんなに酷い目にあってもその側を離れようとしない。
       自分の存在価値を、「優夜の宿縁」という絆に求めている傾向がある。
       この絆を「キッカケ」にするのか「依存」になってしうまうのかは、今後の二人次第。
       その前に、この過酷な時代を二人が生き延びられたらの話しだが。

       最近の悩みは、起伏の乏しい自分の胸。

      「誰のせいでそうなったと思っているんですかぁ!」




ラルカ    漆黒のローザリッタァの中で気を失っていた、記憶喪失の歌姫。推定年齢12歳前後。
       銀色の長い髪と琥珀色の瞳が特徴の、可愛らしい女の子。
       「ラルカ」はルルカが付けた、仮の名前。
       彼女の機奏英雄は記憶と同様、不明。

       記憶を失っているせいか、感情の起伏に乏しく、万事控え目気味。
       そんな姿が昔の自分と重なるのか、ルルカは何かと世話を焼きたがる傾向がある。
       唯一、覚えていたのがラルカの奏甲「シュヴァルツローザ」の操縦方法。
       その腕は優夜を遙かに上回るどころか、熟練操縦者の華色奏甲並みの戦闘力を発揮する。

       他にも色々と、秘密があるらしいのだが……。       

       助けてくれたルルカを「お姉ちゃん」と慕う一方、優夜は若干苦手気味(?)
       その一方で、優夜とルルカの「宿縁」の関係には憬れを感じている。
       いつか自分の宿縁が、自分を迎えに来てくれると信じている。

      「お姉ちゃんがお兄ちゃんにそうしているように、ずっとずっと、側にいるの」


    

エド     身長二メートルを越す筋骨隆々の機奏英雄。49歳。
       現世ではアメリカ海軍に所属。ワスプ級強襲揚陸艦「キアサージ」の整備中隊に勤務し、
       将校にまで昇進した叩き上げのエンジニア。
       一応、専門はAV−8BハリアーUなのだが、CH−46輸送ヘリからSH−60B対潜ヘリ、
       果てはLCAC(ホバー型揚陸艇)まで、何でもこなせた。

       筋肉ダルマな見た目からは想像もできないほど、頭の中身はインテリ。   
       機械いじりが好きな一方、本当はパイロットになりたかったらしい。
       知識と頭脳は問題なかったのだが、その巨漢が彼の夢を最後まで阻んでしまった。

       その豊富な知識と経験を買われ、アーカイアに召喚後もしばらくは『黄金の工房』で
       新型奏甲・武器の開発・研究に携わっていた。

       『黄金の工房』が『無色の工房』に独立した後、トラベラーになる。
       工房時代の功績が認められ、エース機である「ビリオーン・ブリッツ」を与えられる。
       ちなみに機奏英雄としての腕は、中の上程度。

       現在、シュバルツローザに搭載するハウリングシステムの生産拠点と、開発者のユーディーの身柄を捜索中。
       依頼主の名は明かしていないが、その内容から「無色の工房」が関係しているのは明らか。

      「俺たちの世界にはなぁ、こんな格言があるんだ。『兄貴! 戦は数だよ!』ってな」




アルジェナ  エドの歌姫。23歳。
       他人の『死』を見ることに異常な興味を示す、変わり者の歌姫。
       様々な『死』を研究して、自分自身の理想的な『死』を実践するつもりらしいが……。

       黙っていればそれなりの美人なのだが、口を開くと誰もが引く。
       スタイルも抜群で、ゆったりとした衣服の外側からでも、そのプロポーションの良さが判る。

       彼女が『死』に興味を抱くようになったのは、ボサネオ島での奇声蟲の大発生に関係があるらしい。
       彼女の住んでいた村は、彼女を残して全滅してしまった。
       以来、「どんなに優れた人間でも死ぬ時は死ぬ」と、人間の一生にどこか見切りをつけてしまう。

       最近は『宿縁』であるエドの、その溢れんばかりの生命力に興味をそそられている。
       最善を尽くせば変えられない運命はないと信じる巨漢の機奏英雄が、どんな死に様を見せるのか、
       彼女の興味はその一点に絞られている。

       一応、エドを「監視」する役目も受け持っているらしい。

      「ダメよ? こんなに可愛いのに、一人で死のうだなんて……。ちゃんとお姉さんが、手伝ってあげますわ」




シャルラッハロート3  優夜の愛機。
            見た目は普通のシャル3だが、実は中身も普通のシャル3。
            幻糸炉もノーマル。
            よって、特筆する点はナシ。
            戦闘中に度々貧血を起こすルルカを歌姫に持つ優夜にとって、
            シャル3の「ダビングシステム」は必須機能。

            右腕・ロングソード  左腕・マシンガン
            右肩・追加装甲版   左肩・???
            
            一時、右肩にグレネードを装備していたが、貴族との戦闘で壊れてしまった。
            代わりに試作の増加装甲を各個に貼り付けて、防御力を若干向上させている。
            が、相変わらず重量オーバーの為、機動力の低下は否めない。
            重いハズなのに逃げ足だけは速いのは、優夜が誇れる唯一の才能。




シュヴァルツローザ   ラルカが乗っていた漆黒のローザリッタァの正式名称。
            現世人との対奏甲戦を前提に、既存のローザリッタァをリファインした決戦機。
            その設計理念は、以下の三つ。

            「歌姫のみで稼動し」
            「評議会の新型奏甲を撃破できる優位性を獲得した」
            「速やかな量産化が可能な対奏甲戦用突撃型絶対奏甲」

            基本フレーム・幻糸炉を含む七割以上のパーツは、通常型のローザリッタァと共通化されているので、
            幻糸精度・転嫁率・装甲値は通常型と変わらない。
            既存の奏甲を再設計する事で、開発時間の短縮とコストダウンにも貢献している。
            「ハウリング・システム」を搭載する事により、常に『ザ・トッカータ』が掛かっている状態で稼動する。
            主兵装は両腕に内蔵されたマシンガンと、両手用の巨大な鎌。
            システム上、ノイズに弱いという弱点を持つ。




ビリオーン・ブリッツ  エドの絶対装甲。
            長旅続きでソロ活動の多いトラベラー用として『ツインコックピット』を搭載した他、
            幻糸炉の戦闘出力を20%低下させ、炉安定性と稼働時間の向上が計られている。
            また出力低下による機体への負担が低減し、稼働率・整備性・操縦性も向上。
            反面、純粋な戦闘性能は低下しており、エース機としての優位性は失われてしまった。
            「だったら何の為のエース機か?」という疑問も生まれるのだが、
            複雑な高性能機をマイナーチェンジさせて扱い易くするのは、元整備兵としての性。
            主な兵装は、両手持ちの『トゥーハンドブロードソード』。
            両肩に『アーマープレート』。

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