登場人物・設定 天凪優夜 黒い髪と瞳を持った、見た目は「良い人」っぽい19歳の機奏英雄。 その実体は、トラブルをこよなく愛する生粋のトラブルメーカー。 機奏英雄としての腕前は三流以下だは、奇抜な頭の回転と悪運の強さで乗り切ってきた。 その過去には深い「闇」があり、「伊織」と名乗る女性英雄とは「殺し合った」仲らしいが、詳細は不明。 ルルカ 金色の髪に青い瞳。しっかり者を演じながら、実はしっかり者とは程遠い15歳の歌姫。 生来の病弱娘で、最近は随分と元気になってきているが、時々戦闘中に貧血を起こすので結構デンジャラス。 毎回ヒドイ目に遭いながら、それでも優夜の側を離れようとしない。 自分の存在価値を、「優夜の宿縁」という「絆」に求めている傾向がある。 しかし最近、優夜にとって自分が「本当に必要な存在」なのかどうか、苦悩している。 そして自分の胸の薄さも、相変らず苦悩のタネ。 ラルカ 銀色の髪と琥珀色の瞳。元シュヴァルツローザの搭乗者。推定年齢は12歳。 記憶を失っている為、優夜たちと出会う以前の詳しい経歴は不明だが、ある組織の実験体だった。 感情の起伏に乏しいが、人の温もりを与えてくれるルルカが大好き。 アーカイア人でありながら、奏甲乗りとして稀有のポテンシャルを秘めている。 だが、それは生来の資質ではなく実験の結果であり、それ故の「負」の刻印である「呪印」が首筋に浮かんでいる。 高機動突式キューレヘルト・Plus 『ルスフォノクラスタ』が設計・開発したキューレヘルトの改造型。愛称は「キューレP型」ないし「キューPちゃん」。 不人気ゆえに不良在庫となっているキューレヘルトの販売向上を目標に、テコ入れされた機体。 「機動力の向上」がテーマに掲げられ、主に脚部を限定としたフレームの再設計・新型奏甲の技術導入や、 「ハイリガー・トリニティ」の思想も取り入れたツインコックピットを採用。 通常型と比べ、15〜20%の機動力の向上が認められた。 これは新型のシャルWにも匹敵する数値だが、「匹敵する」であって「凌駕する」ではない。 また、固定武装(火器の搭載)や新素材装甲の採用は見送られ、炉出力も最低限のチューンで抑えられている。 これは機動力以外の基本性能は通常型と同じである事を意味し、キューレヘルトの魅力である「維持費の安さ」を 損なわせない為の措置とはいえ、結果として機奏英雄の購入意欲を阻害する要因となってしまった。 優夜の乗るキューレP型には、これ以外にも壊れたシャルVから回収したダビングが搭載されている。 この機能は「ルルカ」を宿縁に持つ優夜にとって必須なのだが、突式であるキューレヘルトでは機能の低下は防げず、 戦闘稼動は最大で五分以下という厳しいものとなっている。 主な武装:右腕ロングソード×1 左腕アームガン×1 左腕シールド×1 ???×2 補則:ラルカが後部奏座に搭乗する事により、アームガンの照準補正が実行可能となっている。 歌術『月と銀糸のアフタクト』 キューレヘルト・Plusがツインコックピットを採用している事に注目し、その基本性能を引き上げる為にルルカが編み出したオリジナル歌術。 その効果は、単体歌術では最も効果があるとされている「ザ・トッカータ」をも上回る。 織歌は基本的に歌姫の肉声によって紡がれる、単独演奏である。 故に息継ぎのタイミングや、旋律と旋律の繋ぎ目には「間」が発生してしまう。 それを効果的に防ぎ、また主旋律にBメロを食い込ませる事により、歌術全体の展開と自由度を増幅させている。 基本的には音楽界では頻繁に使われている演奏技法を、そのまま歌術に応用したもの。 『デュエット』や『ソリ』とのように、「二つで一つ」の演奏方法ではない。 『宿縁』の性質上、二本以上の「織歌(主旋律)」は<ケーブル>システムを混乱させ、絶対奏甲の能力を逆に悪化させてしまうが、 あくまでも「織歌」は一本とし、それを補う形で補助的な旋律を重ねる事により、効率的に幻糸を紡ぐ。 つまり『月と銀糸のアフタクト」とは、「歌術」を強化する為の「歌術」なのである。 期待以上の効果を生み出した『月と銀糸のアフタクト』だが、効果を持続させるにはルルカとラルカの息がピッタリと重なる必要がある。 その為、この歌術の持続時間は二人の歌姫の技量に大きく左右され、現状のルルカとラルカでは十五分前後。 また、織歌が複雑になってしまうので、『アフタクト』の使用中は他の歌術は一切使用できない。 補則:アフタクトは音楽用語。和訳するなら「弱起」。 |