「き、きき、来ましたよ、優夜さん……!」

 この町で一番見晴らしのいい櫓の上で、ルルカは強張った声を震わせた。 
 正面から吹き付ける強い風に乱れる髪を押さえながら、ルルカは町の南側に目を凝す。
 なだらかな稜線を越えて、雲霞のように押し寄せる蜘蛛のような形をした破局の影。
 その数は十匹、二十匹と増え続け………ルルカは数えるのを諦めた。

『ふむ……。思ったほどの大群、ってワケじゃあないな』
「どこがですかぁ!? どう見たって五十匹を超えているんですよ!?」
『甘いなルルカ。オレの世界じゃ、大地が蟲で覆い尽くされた「大海嘯」って事件に遭遇した事がある。
 アレに比べたら、こんなのはまだまだ序の口だ』
「そ、そうなんですか?」
『ま、援軍ナシって点では、コッチも相当ヤバイけどな……。
 風の谷に孤立したトルメキア兵の気分が、今ようやく判ったような気がするぜ』
「その兵隊さん達は、どうなったんですか?」
『蟲の血で染まった少女を、突進してくる群れの正面に放り込んだら助かった』

 蟲の血で染まった少女? 群れ正面に放り込む?
 ルルカは宗教色の強い生贄の儀式を思い浮かべ、生理的嫌悪に顔を蒼ざめさせた。

『その者、青き衣を纏いてそこらへんに降り立つべし、ってか』
「……なんですか、それ?」
『気にしない、気にしない。……ところで、ラルカと一緒に避難しなくても本当によかったのか、ルルカ? 
 織歌だったら別に、避難所からでも歌えるだろ』
「そうかも知れませんけど、わたしまで優夜さんを見捨てたら、可哀想ですから」
『そりゃど〜も、っと。そんじゃ、そろそろ出撃するぜ?』
「はい!」

 ガシャン!

 軋んだ音を奏で、ゆっくりと町から進み出す優夜の絶対奏甲・シャルラッハロート3。
 飛びぬけた能力こそない。が、走・攻・守のバランスが取れた名機である事には間違いない。
 又、ノイズリダクションシステムを搭載したその機能は、奇声蟲の大群の中で戦う混戦には向いている。
 少なくとも奇声蟲の「ノイズ」を、他の奏甲ほど気にしなくてすむ利点はある。

「………(すぅ〜〜〜)」

 ルルカは肺の中に大きく息を溜め込んで、ゆっくりと、ゆっくりと吐き出した。
 そして腰のポシェットから、小さなカスタネットを取り出す。
 玩具みたいな楽器だが『歌術』が付与されているので、音感とリズム感を上げる効果がある。

 ……タンッ! 

 甲高いカスタネットの響きを合図に、ルルカは織歌の詠唱に入た。

 弾き……刻み……想いを……紡いで………。

 タンッ! タタンッ!

 ゆっくりと……ゆっくりと……時に力強く……時に繊細に………。

 タタタンッ! タタンッ!

 螺旋を描いて……共に重なり合う歌声に……世界を満たす奇跡の音色に………。

 タンッ! タンッ! タンッ!

 失いたくない……大切な人の顔を……その瞼の裏側に強く想い描いて………。

(だから……届いて!) 

 タンッ!

『行きます! 受け取って下さい、優夜さん!』

 姫と英雄の二重奏!

『おおっ……!?』

 瞬間、シャル3の外装に幻糸の光りが刻み込まれ、

『うおっしゃぁぁぁーーー!』

 優夜は雄雄しい吶喊を上げて、奇声蟲の群れに突撃した。



病弱姫に花束を   アナザー・メモリー

〜君が見る夢 詠う歌〜


第四楽章  戦塵の黒薔薇




『やっぱ無理』
『早ッ!』

 怒涛の勢いで突撃したシャル3は、その倍の勢いで引き返してきた。

『なにやってるんですか、優夜さん!』
『だって敵、多すぎ。だから、オレだけじゃ無理』
『……さっき、思ったほどの大群じゃないってほざいていらっしゃったのは、誰ですか?』
『そういう重箱のスミを突っつくような発言は、お兄さんどうかと思うぞ? 
 人間誰しも間違いはある。そういう態度がちょっとしたバグに目くじら立てたりして、
 スタッフさんを困らせる荒しに繋がったりするんだぞ?』
『ああ、もう、何が何やら……って、優夜さん、後ろ!』
『おおっと』

 背後に迫った三匹の奇声蟲に向かって、シャル3のマシンガンが振り返りざまに咆哮した。
 高速で撃ち出される焼夷徹甲弾が、鋼のように硬い奇声蟲の甲殻をいとも容易く貫き、打ち砕く。
 奇声蟲は、その口から形容しがたい奇声と一緒に緑色の体液を吐き出し、瞬く間に絶命した。
 しかし、マシンガンが命中したのはその一匹のみ。
 他の二匹は優夜の射撃を巧みに躱すと、ほとんど同時にシャル3の頭上に飛び跳ねた。

『なんの!』

 優夜は右腕のロングソードを鞘から滑らせ、大根切りのように振り下ろす。
 それは丁度、頭上に迫った奇声蟲を真っ二つに両断……するはずだったのだが、白刃が切り落としたのは片脚だけだった。
 これでは、とても奇声蟲を倒した事にはならない。
 が、バランスを崩した奇声蟲はキリモミ状に地面と激突し、緑色の体液が周囲に飛び散った。
 そこを優夜がすかさず蹴り飛ばし、無傷の奇声蟲に向かって激突させ、

『喰らえ!』

 もつれる二匹に、右肩のグレネードを発射!
 着弾と同時に二発のグレネード弾が火焔を撒き散らし、大量の土煙を上空に巻き上げた。

『やったか!?』
『まだです!』

 確かに至近弾ではあったが、肝心の奇声蟲には直撃していない。
 普通の機奏英雄なら、この距離とタイミングで外す事はないだろう。
 織歌を詠い続けるルルカは、心の中で深くため息を吐き出すのだった。
 これがある意味、天凪優夜の天凪優夜たる所以なのである。
 そもそも腕の立つ機奏英雄なら衛兵くらい、最初のマシンガンの一連射で片付けているものなのだ。
 しかし幸いな事に、轟音と衝撃を浴びた二匹の奇声蟲は、そのまま気絶してしまったようである。
 戦闘力を奪ったという意味では、ある意味結果オーライと言えなくもない。

 だが………。

『優夜さん、直ぐに次が来ます!』
『判ってらぁ!』

 動かなくなった二匹は無視して、すぐさま群の中央へと振り返るシャル3。
 そう………。
 敵はたった三匹の衛兵のみではない。
 未だに五十匹を遙かに超える衛兵と、巨大な貴族が無傷で残っているのだ。




 タタタンッ! タタタンッ! タタタンッ!

 間断なく火を噴くマシンガンのバースト射撃。
 硝煙と鉛が織り成す二重奏。
 銃口から噴き出るマズルフラッシュの閃光が瞬く度に、迫る奇声蟲の頭部が破裂し、脚がもげ、千切れた骸が大地を跳ねる。
 蟲が密集しているおかげで、狙いを付ける必要はほとんど無かった。
 おかげで優夜の拙い射撃術でも、ほとんどムダ弾がない。
 もっともその効率的な銃による応戦も、そう長くは続かなかった。

 タタタッ……カチッ……カチッ………。

『あれ?』

 唐突に訪れた、無慈悲な静寂。
 あれほど頼もしく銃弾を吐き出していたマシンガンは、今はもう微かな炎すら発しない。

『だぁぁぁ〜〜〜もう弾切れかよぉ〜〜〜』

 悲痛な優夜さんの叫び声に、ルルカは大きく肩を落した。
 何故なら半分、予想通りの結末だったからだ。

『クソッ! アパム! 弾だ! 早く次の弾を持ってこい! アパームッ!』
『アパムって誰ですか!? っていうか、予備の弾薬なんてありませんよ!』

 苦しい予算がたたって、予備の弾薬を買う事が出来なかったのだ。

『クッ。こうなったらもう、泣き叫びながら斬り込むしか……!』
『いえ、別に泣き叫ばなくても……』
『うおぉぉぉっっ! 神国ジャパンに栄光あれぇぇぇっっ〜〜〜!』
『ここ、トロンメルです……』

 <ケーブル>を介して、ルルカは静かなつっ込みを入れた。




 猛然と、群の中央へ……つまり、貴族へ……向かってシャル3が突き進む。
 理由はともかく、戦術的な判断としてはそれほど間違ってはいない。
 と、いうよりも、他に選択肢が存在しないのだ。
 既に活動時間の半分以上が経過したシャル3に、これ以上衛兵に構っているヒマはない。
 グレネードの弾幕で前方の針路を啓開しながら、遮二無二突っ込む。

『判ってますね!? 狙いは貴族だけですからね!?』
『応よっ! 任せろ!』
『それが一番、不安なんですけど………』
『なんか言ったかぁ?』
『気にせず前に集中して下さい! 二時方向から三匹、十一時の方向から四匹です!』

 左右からシャル3の突撃を阻もうと、七匹の衛兵が迫る。
 と、その衛兵の口が大きく開き、一斉に「ノイズ」を発生させた。

『うおっ!』
『………うくっ』

 ルルカの脳に容赦なく襲い掛かる、物理的な衝撃波にも似た「ノイズ」の波動。
 それは凄まじい頭痛と吐き気を伴って、歌姫の自我に鋭い牙を突き立てる。
 が、直ぐにシャル3のノイズリダクションシステムが起動し、奇声蟲の「ノイズ」は中和された。
 ルルカは額から噴き出る汗を拭い、尚も突撃を続けるシャル3の為に織歌を紡ぎ続けた。

 後少し……後少しで、群を率いる貴族に、その刃を届かせる事が出来るかもしれないのだ……!

『よし! 捉えたぁっ!』

 バシュ! バシュ! バシュ!

 優夜は残っていた全てのグレネードを、貴族に向かって撃ち出した。
 白煙を曳いて虚空を滑る、現世人が持ち込んだ熱と炎と飛礫。
 それは次々と貴族の頭部に着弾し、無数の破片と超高温の爆風が貴族をのけぞらせる。
 だが、この程度で倒れてくる程、貴族は生易しい相手ではない。
 グレネード弾は、所詮は目くらまし程度にしか役に立たないのだ。
 しかし、その一瞬の隙こそを、優夜は欲していた。

『うりゃぁぁぁ! 天誅ぅぅぅ!』

 叫び、持てるポテンシャルの全てを引き出して、シャル3が一気に貴族の頭にまで跳躍する。
 そして振り下ろしたロングソードを、堅い背中の上に深々と突き立てた。

 だが………。

『おわぁぁぁ!? 全然利いてねぇぇぇ!』
『優夜さん!』

 背中を貫かれた貴族は、怒りに任せて猛然と暴れ出した。
 優夜も優夜で、死んでも振り落とされまいと必死にロングソードを握り締める。
 とはいえ、このままではラチが開かない。
 振り落とされれば、すなわち死。
 このまま貼り付いていても、死は時間の問題でしかないのだ。

『ル、ルルカぁぁぁ! シャル3に自爆装置はついてないのかぁぁぁ〜〜〜!』
『あるわけないでしょ、そんなもの!』

 クラッ……。

『あ、うぅ………』

 不意にルルカの視界が、奇妙に霞んだ。

『そ、どうしたルルカ! パワーが落ちてるぞ!?』
『す、すみません……。一瞬、目眩が……』
『コ、コラぁ、踏ん張れルルカ! 根性見せろ、根性を!』
『判ってます……判ってますけど……力が、抜けて………』

 これほど長い時間、ルルカは織歌を詠い続けた経験はなかった。
 元々織歌は、詠い続けるだけで歌姫の体力を容赦なく消耗させてゆく、マイナス面を持ち合わせている。
 加えてルルカは身体が弱く、シャル3の活動限界より先に体力の限界が訪れようとしていたのだ。

『うわっ!』

 パワーが落ちたと同時に、シャル3は背中から振り払われ、人形のように宙を舞った。
 そのまま硬い地面の上に激突、濛々とした土煙が機体の周囲を覆い尽くす。

『っつぅ〜〜〜。い、今のはさすがに……利いた………』
『だ、大丈夫ですか……!?』
『オレは大丈夫だけど……マズイ、機体が動かねぇぞ、オイ!?』
『そ、そんな!?』
『クソッ! やっぱり動かねぇ! こうなったら脱出……って、うお!?』
『どうしたんですか!?』
『……ダメだ。すっかり囲まれてやがる。
 今、飛び出したらまわしにまわされ、誰の子供を宿されたのか判らなくなっちまうかも』
『そんな冗談を言ってる場合ですか!』
『それは違うぞ。冗談ってのは、それが何の役にも慰めにもならない時にこそ言うべきものなのだ』

 ガリガリガリガリ!

『わ、齧るんじゃねぇ、コンチクショウ! それからテメェは産卵管のばすなぁ! 
 しまいにゃチョン切るぞ、こらぁ! って、マズイ、装甲に亀裂が………クソ、マジでここまでかぁ!?』
『優夜さん! 優夜さん!』

 気がつけば無数の衛兵に、シャル3は周囲を十重二十重に囲まれていた。
 その僅か後方には、巨大な貴族が炯々と輝く眼差しを動かなくなったエモノに向けている。

『逃げて! お願い! 優夜さん、逃げてぇっ!』

 そして、次の瞬間………。


 ズダダダダッ!


 シャル3に群がっていた奇声蟲の身体が、突然、ザクロのように破裂した。

 体液を噴出し、贓物を撒き散らし、脚部を残してボロボロに砕け散ってゆく。
 何処からか飛来した銃弾が、寸分違わず奇声蟲の頭部と腹部のみを貫いているのだ。
 その奇跡のような射撃の精度に、ルルカは目を丸くして周囲を見渡し、絶句した。

『ロ、ローザリッタァ!?』

 周囲を一望できる稜線の上に立ち、両腕の銃口かた硝煙を燻らせる漆黒のローザリッタァ。
 それは間違いなく、ラルカが乗っていたあのローザリッタァであった。
 次の瞬間、ローザは稜線を滑るように駆け降りた。

 途中、阻む衛兵の群を、まるで雑草のように薙ぎ倒しながら。

 ズダダダッ!  ズダダダダッ!

 左右の腕に内蔵された大口径のマシンガンが咆哮し、巨大な銃弾雨のように降り注ぐ。
 人間一人をたった一発でバラバラに砕ける、焼夷徹甲弾の死の雨が。
 凄まじい鉄のスコール。
 群の右から左へ、左から右へ。
 大地を穿つ銃弾に、行く手を阻む衛兵が次々と砕け散ってゆく。
 それでも圧倒的な数を誇る衛兵の群は、左右からローザを半包囲するように接近する。
 しかし、ローザは包囲されるよりも素早く戦場を移動し、包囲網の外側から的確な斉射で血塗られたモザイクを大地に描くのだった。

 それは戦闘というよりも、天敵に襲われた哀れなミツバチのような、一方的な虐殺だった。
 ローザは無謀なまでの勇敢さで突進し、衛兵の頭を蹴り上げて、がら空きになった下腹部を巨大な大鎌で無慈悲に切り裂く。
 胴体を半分に切断された衛兵は、死への短い階段を転げ落ちながら、尚もその牙をローザに向けた。
 だが、漆黒のローザはあくまでも無慈悲だった。
 開かれた口に腕を突っ込むと、内蔵されたマシンガンを発射した。
 
 衛兵は一瞬にして、叩き割られたスイカのように飛び散った。

 そしてローザはシャル3の前方に飛び出るや否や、大地を蹴り上げて貴族の懐に飛び込み、

 ザシュ!
 
 緑色の体液と贓物の絡まった巨大な鎌で、その頭部を逆袈裟でで粉砕!

 キシャァァァ!

 貴族は凄まじい断末魔を上げて、轟音と共に崩れ落ちた。

 ほんの数分に満たない戦闘で、ローザは数十匹の衛兵と貴族の死骸を、文字通り山のように築いた。




『……………鬼神か、コイツは……?』

 さすがに声を慄かせながら、返り血を浴びて所々を緑色に塗装されたローザを見やる優夜。
 と、ローザの中から、聞き覚えのある声がこぼれてきた。

『お兄ちゃん、大丈夫?』
『その声………ひょっとしてラルカかぁ!?』
『うん』
『ど、どうやって!? 機奏英雄も歌姫もいないのに!?』
『? ラルカ、歌姫なんでしょ?』

 不思議そうな声で、ラルカ。

『あ、そういうやそうか』
『そうか、じゃありませんよ、優夜さん!』

 ルルカは気付いていたが、優夜は気付いていないらしい。
 ラルカがたった一人で奏甲を動かし、鬼神の如き戦闘力を発揮している、その事実に。

『残りはラルカがなんとかするから、お兄ちゃんは休んでいて』
『………できるのか、ラルカ?』
『うん……。なんとなく、この子の動かし方とか判るか……お兄ちゃん、危ない!』

 死んだと思っていた貴族が、突然、二人の背後で起き上がった。
 半分に潰れた頭部に残された片目に、炯々と光る暗い復讐の焔を宿らせ、獲物を睨む。
 砕けた顎が、パカリと開いた。
 そこから大量の体液を吐き出し、そして、圧倒的な咆哮が荒野の大気を震撼させた。

 衛兵のソレを遙かに凌駕する、貴族の<ノイズ>が炸裂したのだ。

『み、耳がぁ、耳がぁぁぁ!』
『つぅ………!』

 顔をしかめる優夜とルルカ。
 それでもノイズリダクションシステムを搭載しているシャル3は、どうにか持ち堪えた。
 ところが、本来ならばシャル3以上に「ノイズ」の影響を受けないはずのローザリッタァの中から、

『あ、あああああっっっ!』

 狂ったようなラルカの悲鳴が迸った!

『ラルカ!?』
『ああああ! ああああああ! ああああ……………』

 ガシャン!

 糸の切れた操り人形のように、システムダウンしたローザが大地の上に崩れ落ちる。

『おい! ラルカ! しっかりしろ!』
『ダメ! 優夜さん! まだ、貴族が!』

 振り返る優夜の視界に、シャル3の胴体よりも太い貴族の爪が猛然と迫った。

『しまっ………!』

 ザシュ!

 刹那、目を瞑った優夜とルルカの耳に、何かが断ち切られる生々しい音が届いた。

『………優夜さん?』

 恐る恐る、目を開けるルルカ。
 <ケーブル>を介して瞳に映った映像は、貴族の頭部を跳ね飛ばした巨大な刃と………。

『よぉ。危機一髪だったな』

 白い奏甲……ビリオーン・ブリッツから響く、野太い男の声だった。



第四楽章  戦塵の黒薔薇 (終)



後書き
と、ここまでが公式ホームページの掲示板で連載していた部分です。
ここまでが、いうなれば第一部みたいなもので、ここから一気に物語は加速する………ハズ。
でも、まだ半分にも届いていないんですよね、実際。
次でようやく、漆黒のローザの秘密が明らかに……?
それではなるべく早急に、第五楽章をお届けしたいと思います。



登場人物・設定


天凪優夜   致命的にヤル気の少ない、19歳の機奏英雄。
       のほほんと、徒然なるままにアーカイアを探索中。
       一見、お人好しのようだが、本当にお人好しかどうかは意見が分かれるところ。
       困っている人を見ると、もっと困らせたくなるトラブルメーカー。
       現世に帰る事には、あまり執着心がない様子。


ルルカ    ヤル気はあっても致命的に体力の少ない病弱の歌姫。15歳。
       温かな家庭と家族に大切に育てられてきたが、いつも誰かの負担になっている事に、
       若干の心苦しさを感じていた。が、優夜の歌姫になった事で、状況は一変。
       誰かの負担になっていた日々から、全ての負担をその身に背負い、
       自分がしっかりしないとその日の宿さえままならない生活に突入する。
       毎日に張り合いが出来たのはいいが、果たしてそれが幸せなのか不幸なのかは微妙。
       最近、生来の病弱に加えて、頭痛・胃痛も絶えないらしい。


ラルカ    漆黒のローザリッタァの中で気を失っていた、記憶喪失の歌姫。
       銀色の長い髪と琥珀色の瞳を持った、推定年齢は十二歳前後の少女。
       記憶を失っているせいか、感情の起伏に乏しく、万事控え目気味。
       助けてくれたルルカを「お姉ちゃん」と慕う一方、優夜は若干苦手気味(?)




シャルラッハロート3  優夜の愛機。
            見た目は普通のシャル3だが、実は中身の普通のシャル3。
            幻糸炉もノーマル。
            右腕・ロンゴソード  左腕・マシンガン
            右肩・グレネード   左肩・???
            攻撃力偏重な上に重量オーバーな装備は、単なる優夜の趣味。
            戦術的には機動力の低下を招いているだけで、意味はない。

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