ガルフ「野郎ども、今日もいい天気だ!だから暴走するぞ!」 仲間「おうーー!」 何とも目茶苦茶な朝の掛け声ではある。しかしここ、ケルブレイド家の前に集まっている暴走族『ズィーベ ント・ギガンティア』とそのリーダー、ガルフにとってはいつものことである。 さらにこの豪邸目指してバイクを飛ばしているソード先生の姿も、傍目にはどう映っているかは人それぞ れだが(背中のパニッシャーをただの十字架だと思う人は変人か奇人だと思うだろうし、それがトンデモナイ 火器だと知っている人はすぐに逃げるだろう、変人と思っている所は同じかもしれないが)、いつものことで ある。 そして、最近見られるようになった光景が今日も起こった。なにも『ズィーベント・ギガンティア』の連中が 銃器で迎撃してきた訳ではない(そもそもそんなことをしても無意味である、相手がソード先生では)。 ソード先生より先に大型トラックが門を突き破ったのである(ちなみにトラックには傷一つ付いていない)。 『ズィーベント・ギガンティア』の面々がそれに気が付いて振り向いたとき、トラックが180度スピンターン をして彼らから20m位の地点に止まり、その間に後部扉と右側の側壁が開いて、そこから機動隊員のよう な姿をした人間が20人程、バラバラと飛び降りたと同時に、両手に持ったマイクロウージーで銃撃をしてく るのが、彼らの目に見えた。 学園編・第一話 登校前の準備運動 タタタタンッ! タタタタンッ! タタタタンッ! ドカァバキィィズガァァアンドゴォォォンドガガガチュドォォォンゴバァァン!!!!!! 銃撃を受け、次々と吹き飛ぶバイク。一応、死者は出ていない(※怪我人はいるかもしれないが)。 ガルフ「またてめ〜らか!おい、野郎共、突撃だーー!」 ガルフが残った仲間に怒声で叫んだが、まったくの無駄だった。 何故なら銃撃中の集団の後ろで、迫撃砲(分解式で、三人で持ち運べるタイプ)が設置されていた。その 側にいる隊員が砲口に弾頭を入れ、 ポンッ! 少し間抜けな音を発して弾頭が放物線を描いた。無論その先は『ズィーベント・ギガンティア』の生き残り (※また言いますが、他が死んだわけではありません)のど真ん中に向っている。 ズッドーンッ!! 榴弾とバイクの爆発音が重なって響いたとき、ガルフが宙高く飛んでいきました。もっともこれも“いつも のこと”なので、問題はない。 ソード「……、学生が銃器ぶっ放しているのは問題じゃないのか?」 究「朝っぱらからバイクで騒いでいる生徒もいるんですから、別段問題にする必要もないでしょう。」 そう答えた(かなり問題がある発言だが、さいわい聞いている輩は他にいないので、とりあえず安心であ る)治安維持委員会の委員長であり、特組に通っているる生徒―星野 究がバイザーを上げた。 究「いちいち問題にしていたら、マスコミが過労死してでも世間に晒し者にするでしょうし。」 ソード「そりゃそうだがな。」 究「まぁとりあえず、ちゃんと朝の挨拶をこちらでやりますね。」 そう言うと後ろに振り向き、 究「全員、整列!」 既に他の隊員もバイザーを上げており、整列し終ったかいなかのうちに、 全委員「ソード先生、おはようございます!」 元気な十代の生徒たちの声が、バイクの騒音に変わってケルブレイド家の庭に響き渡った。 ちなみにその後ろで、リーダーのガルフを除く『ズィーベント・ギガンティア』の面々が歩きでの登校準備をしていたのは余談である。 あとがき: どうも、こんにちは。作者の星野です。本編がようやく第二楽章に入りましたが、遅れていた理由は一緒に 学園編を書いていたからです。はっきり言ってこっちの方がおもしろいので、早く書けそうです(無論、本編 の方をないがしろにする気はありませんが)。 作品の冒頭に「準備運動」と書いてありますが、これは間違いではありません。大十字学園に入学している 以上、こういうことは日常茶飯事であるはずです(多分)。なのでそれに比べれば、これは“準備運動”に分 けられるのです。 それとソードさんとカイゼルさんへ。ソード先生とガルフ以下『ズィーベント・ギガンティア』の面々を使わせて 頂きました。学園編SSでは許可を取る必要は無いそうですが、一応載せたことをここに書いておきます。あ らためて、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 |