※これは学園版の新見忍の視点で書かれています。
※特組のキャラクターを無断で使ってしまってますが、
 『うちのはこんなんじゃない!』というのがありましたら直します。
※なるべく毎日書こうと思ってますが、挫折したときはお察しください・・。

一夜


そもそも日記というのは誰が読むのか?
自分で書いた物は、あまり読む気はしないけれども、
 
こうやってネット環境がそれなりに整備されて、その中で日記をよく見かけるので、
この文もどこかの誰かに読んでもらっているのならば、
何かを持って帰ってもらいたいな思っています。
 
そもそも寮長のアーデルネイドさんから、進められたのだけど、
彼女曰く『書くことよりも、何を書こうかと考える事に意味があるんだ』
と言っていました。
 
それはわからなくもないですが、書く事によって考えがまとまりやすくもなるし、
意外な考えが出る事もある。
 
そうゆうのは嫌いじゃないので、出来る限りやっていこうと思います。
 
・・考えるのが重要ならば、のせなくてもいいじゃんと言う声が聞こえてきそうですが、
そこは海よりも深い事情がありまして・・まあお察しください・・。

二夜


先日、桜花さんを被写体にして我々光画部は写真を撮っていました。珍しく・・。
 
「私はそういった事は苦手なのですが・・」と、
桜花さんは少し遠慮しながら写っていました。
 
で、その話しを喜司雄さんにもしたのですが、(喜司雄さんはあれ以来、特組に姿を見せてません)
「あっそう・・」の一言。
もっと何か反応があると思ったのですが・・。
 
で、更にその写真を学園案内に使おうという校長代理の声があり、
生徒会が光画部に写真の提出を要請したのですが・・。
 
「我々はぁ!自分たちの感性に赴く目的のためにしか撮るつもりはない!」
と優夜さんが言ったあたりで話しはややこしくなりました・・。
 
「よってぇ!生徒会に協力するつもりは毛頭無い!」
たぶん騒ぎたいだけだと思います・・。
 
結局、校長代理と優夜さんで話し合った結果。桜花さん写真は使われる事は無かったそうです。
後で優夜さんに聞いたら、
「ほら、桜花君見たさで入ってこられても困るだろう?」
組織的独占欲とでも言うんですかね、だいたい想像はついていましたが・・。
 
で、喜司雄さんのためにその写真を貰ってきたのですが、
喜司雄さんは一言、
「撮りが・・甘い」
といって別の写真を見せてくれました。
 
それは最近、学園で撮られたものでした。
桜花さんと・・・・誰だろう知らない女の子が写っています。
 
「知り合いから貰ってね、タイトルは『再開』だそうだ」
そう言って僕から写真をひったくってしまいました。
 
結局、その女の子が誰なのか、写真を撮ったのが誰なのかは教えてくれませんでしたが、
まあ、桜花さんに聞けばわかる事ですが・・。
 
それよりも、その写真の中の二人の笑顔がとても印象的でした。
桜花さんがあんな風に笑う事があるんだ、と正直驚きました。
それに撮った人の気持ちも伝わってきそうだし・・。
 
しかし、光画部以外であれほどの物を撮れる人がいるとは・・。

三夜


今日は音の話しをしようと思います。
 
休み時間、僕はぼんやりしている事が多いですが、みなさんはいろいろな話しをしています。
 
「まあ、たしかに設備は整っているが」
カイゼルさんの声が不意に聞こえてきました。
 
「じゃあ何か?やっぱりでっかいスピーカーがどーんとあるのか?」
そこにザナウさんが更に聞いています。
 
「あるにはある、ほとんどネレイスに任せた物だが・・」
「以外と置くだけ置いて使ってないんじゃないの?」
悠然さんが突っ込みをいれます。
 
「ちゃんと使っている、週に何回かは時間は作っているし」
「で、やっぱり5.1とかの最新の物なのか?」
と、ザナウさんが更に聞きます。
 
「いや・・ネレイスの趣味かなアンプは真空管なんだ」
 
なんだかすごい話しです・・。
 
「羨ましい物だな・・」
そこで隣の席のアールさんが呟きました。
ずっと何か書いていたようだったのですが、
どうやら僕と同じでカイゼルさん達の話を聞いていたようです。
 
「羨ましいって、音響設備の事?」
「それもある、真空管アンプとは久しぶりだ。・・いや、私の言いたいのは時間の方だが・・」
 
手を休めずにアールさんは続けます。
「最近忙しくてな、音楽を聴くための時間を作っていない」
「聞くだけなら、すぐに出来るじゃない」
そうです、寮では大音量を出す物は禁止されていますが、音を聴く物はいくらでもあります。
 
「・・そうか・・忍。お前は『音楽を聴くためだけの時間』というのをとったことがあるか?」
「え、それは・・」
無いです、何かしながら聞いているというのが普通なので・・。
 
「そもそも最初、音楽はそうして聴いていたものなのだ。
 今のようにどこからでも音がでている時代ではなかったからな」
 
「その頃は、高尚な趣味だったから仕方が無かったんじゃないの?」
「まあな、それだけ自然とその時間を大事に出来たのだろう。
 しかしあえて今のこの時代で、昔と同じように時間を作り、
 音楽を聴くのはやはり贅沢だと思うし、それが出来るのが金持ちという人種なのだろうな」
 
忙しい時代であえて時間を作る力と贅沢ですか・・・なるほどアールさんらしい考えです。
 
「そういえば、また今度聴かせてよ、あの・・・フルートだったっけ?」
「パンフルートだ、さっきも言った通り私は忙しい。聴きたければ放課後、
 音楽室の近くにいれば聴こえてくることもあるだろう」
 
僕の『音楽を聴くためだけの時間』は気まぐれなようです・・。
 

おまけにもう一つ。
別の日の学校の屋上での事です。
 
めずらしく授業が自習になり、みなさん思い思いに過ごしていました。
 
僕は何を思ったか屋上に向かってました、よく晴れた日の午後で、夏前といってもかなり暑いはずなのですが・・。
 
屋上のドアを開けるとアスファルトの白が目に飛びこんできます。
風は程よくふいていて、空を見上げると入道雲が見えます。
 
「・・・・・」
 
誰も居ないと思ってましたが先客がいました。
 
「ラルカちゃん・・暑くないの・・」
「大丈夫・・・日陰だから・・・」
 
さすが優夜さんとルルカさんと一緒にいるだけに、こうゆうと所はしっかりしています。
 
「何をしていたの?」
 
僕も特に目的があってきたわけではないですが・・。
 
「音を・・聴いています・・」ラルカちゃんはこちらを見ずにずっと空を見ています。
 
音?・・といっても学園は授業中で静まっていてグラウンドもあまりの暑さで使用されていません。
街の喧騒が遠くでかすかにきこえるぐらいです。
 
「何も聞こえないよ・・無音って感じがするけど・・」
厳密に言えば何かは耳に入りますが・・。
 
「『無音』を・・・聴いています」
 
無音を聴く?・・ときどき子供の感性には頭が下がります。(僕もまだ子供ですが・・)
 
たしかに音が無いだけで聴けないわけではないですが、
 
「何が聴こえるの?」
 
僕は隣まで行ってアスファルトに腰を下ろしました。さすがに暑かったので・・。
 
「自分の中から・・いろいろと・・」
 
どうやら外の音を聴いていたわけではなかったようです。
 
これは自分の憶測ですが、
周りから自分を極端に遮断することで、『自分の中の音』記憶や思いでみたいな事だと思いますが、
それを反芻していたのかなと思いました。
 
「僕にも聴こえるかな?」
「・・・だぶん・・・」
そのときはじめてこちらを向いてくれました。その目はちゃんと僕を見ていました。
 
「僕には何が聴こえるかな・・・」
 
程よく風が吹き、日差しの創る黒と白のコントラスト中で、
 
あらためて見上げた空は、少しだけ違う風景に見えました。

四夜


本って読みます?
僕は・・まあそこそこ・・。
 
アールさんは暇さえあればずっと読んでますけど。
 
昔の人はよく本を読めと言いましたけど、
本でなくても文章は読めるようになったんですから、
この言葉ももうあまり意味が無いのかな。
 
最近では、メールやネットの文章しか見てないって人も多いんじゃないですか?
どんな文章でも綺麗な活字で出されると、もっともらしく見えてしまうから不思議ですね。
 
かくゆうこの日記もそうなのですが、
そうやってもっともらしくうつる分、責任も持たないとなと思っています。
 
そうでなくても傷つきやすい世の中なのですから・・。
 
「ルルカには携帯電話は無理だな、昔の黒電話がお似合いだね」
「酷いですね、なんですか携帯電話ぐらい・・で、これはどこにお金を入れればいいんですか?」
 
そうでもない人達もいますが・・。

五夜


今日は本つながりで漫画です。
こちらはあまり自分から進んで読みませんが・・。
 
別に嫌いなわけではないですよ、優夜さんや悠然さんがよくお勧めの漫画だと言って見せてくれたりしますし、
光画部の部室にもよく転がっています。
 
ただ、一冊の本として書ききるタイプの物語と連載を主眼に置いている漫画では、
物語の感覚に違う物を感じるので・・。
 
一冊の本、小説や読みきりの漫画は終わり前提にかかれているのに対して、
雑誌に連載するタイプの漫画等は主に終わらないようにしているように見えたので。
 
まあ、長く続いてなんぼという話しもわかりますが・・。
 
ただ、そうした終わらない物語にも終わりは来るわけで、
そうした場合やはりどこかに無理が出てきます。
 
いろいろな事情があるのはわかりますが、そうやって終わっていった物語のキャラクター達はどうなるのです、
無残に、突然、終わらせられたキャラクター達は・・。
 
僕はそういった物語には出たくありません!・・・あ、これは独り言です。気にしないでください。
 

兎に角、そんな考えがあってか僕は最後まで物語を読むという事をしません。
せめて僕の中だけでも、彼や彼女達が生き続けてほしいから・・。

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