奏甲設定  (「ある英雄の嘆息」以降)


 Leidtragende (ライト・トラーゲンデ)

  被害者≠フ名を持つ奏甲。白玉監修の元、『見た目強そうに』をコンセプトに開発された機体。
  新技術をふんだんに取り入れた最新鋭の機体…と言えば聞こえはいいが、実際はテスト段階の兵器や
  お蔵入りした兵器等を引っ張り出してきて手当たり次第に装備したトンデモ奏甲。
 
  まず素体には「シャルラッハロートUに変わる汎用量産型奏甲」を目指し、シュピルドーゼが開発した
  奏甲を使用。汎用性が高く、パワーもシャルUを大きく上回っているが、その分大型化し維持費が高い
  という量産型奏甲には致命的な欠点がある。その点を除けば総合的な性能は高いのだが、先にシャルV、
  グラオ・グランツがロールアウトしてしまったため開発は中止。完成目前で放棄されていた物を引っ張り
  出してきて、シャルVのパーツを無理矢理取り付けて完成させた。

  また装甲のほとんどが爆発反応装甲になっている。これは敵の攻撃に対して爆発することにより、爆風、
  爆圧でその攻撃を相殺するというもの…のはずなのだが、これは現世にそういうものがあると聞きかじった
  工房の技師が興味本位で作ってみたもの。まだ実験すらしていない状態で、テストという形で格安で譲り受けた。

  背中に取り付けられたアークウィングは、リーゼ級の奏甲を飛翔させるのを目標に開発された試作品で、
  シュヴァルベの羽とは違いかなり鋭角的なデザインとなっている。最高出力を出せばリーゼ級でも飛行が
  可能だが、最高出力では3分しか羽がもたず、安定性にも欠ける。歌姫の消耗も激しい。

  背面右側に装備されている奏甲の全長ほどの長さの細身の長剣「プライムソード」は、銃火器の普及を
  嘆いた一部貴族の発案によって開発されたもの。この剣は刀身に純度の高いアークメタルを使い、特殊な
  楽譜を刻みこむことで、歌術により斬撃を飛ばすことが出来る。しかし、100ザイル飛ばすのにも女王
  クラスの力が必要で、扱える歌姫がいなかったためお蔵入りとなっていたのだが、装飾が豪華だという理由
  で引っ張り出されてきた。一応切れ味は並み以上だが、重心が剣先に寄っているため扱いにくく、通常の
  状態のゼフィールでは振り回すことぐらいしか出来ない。アークウィングを展開中だと抜刀できないという
  欠陥も後に発覚する。

  左腕に装備された大型で分厚いシールドは製品名「奏甲用万能十得シールド」と言い、ある技術者がノリと勢い
  のみで作ったもので、機能としては「シールド」「ナイフ」「ノコギリ」「ワイヤー付きアンカー」「ヤスリ」
  「マイナスドライバー」「ルーペ」「メジャー」「缶きり」「ワインオープナー」(全て奏甲サイズ)と、使い
  どころの分からない機能が多い。

  前の奏甲の名残で左肩にミサイルランチャーを装備しているが、そもそもこのミサイルランチャー自体も照準調整
  をしていないので目標に命中するかは定かではない。結局、一番使用するのは同じく前の奏甲から引き継いだ
  サブマシンガンとなっている。

  かなりの重量級の機体のため、足回りを強化してはあるが機動性は標準以下となっている。
  フレームからして流通している奏甲と違うため整備に異様な手間がかかり、維持費もシャルVの倍以上に
  なっている。

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