ーーー≪ある英雄の日常≫ーーー  後編
 


テ「…ールさん、ゼフィールさん、起きてください」
ゼ「……ん」

テールに起こされ目を覚ますゼフィール。
既に日は昇っており、かなり熟睡していたことに気づく。

ゼ「…ふぁ〜あっと、おはよ…どうした?」
テ「おはようございます。近くを絶対奏甲が通っているんですが…どうします?」
ゼ「何っ!? …う〜む…とりあえず接触してみるか…うまくいけば帰り道も分かるかもしれないし。
  奏甲を稼動させれば向こうも気づくだろう」
テ「分かりました。ほら白玉、行きますよ」
白「は、はひ〜」

白玉はいまだにげっそりしていたが、それどころではないため見なかったことにし奏甲に乗る。
テールの織歌を受け戦闘稼動状態になるグラオグランツ。

テ「向こうも気づいたみたいですね。こちらに向かってきます」
ゼ「とりあえず、こっちに戦闘の意思が無いのを伝えないとな…」

そう言ってゼフィールはロングソードを地面に突き立て奏甲の両腕を上げた。
しかし念のため、背中にはサブマシンガンをマウントしたままにしてある。
しばらくすると三機の絶対奏甲が森から出てきた。三機ともほぼノーマルのシャルラッハロートVだ。
最初は警戒していたようだが、こちらの様子を見て構えていた武器を下ろし近づいてくる。
ある程度近づいたところでケーブルを通して声が聞こえてきた。

英雄1「よう、どうしたんだ?こんなところで」

声から判断するに男で年は三十代後半ぐらいだろうか。
最初に話しかけてきたことからこの英雄がこの部隊のリーダーなのだろう。

ゼ「いやぁ、実は道に迷っちまってね…」
英雄2「道に迷ったって…遭難って言うんじゃないのか?」
英雄3「大体、案内も無しでこんなところに何しに来たんだよ、死ぬ気か?」
ゼ「う゛っ」

今度は先ほどよりも若い男の声で聞かれた。
その疑問はもっともなのだが何と説明したらいいものか、ゼフィールは悩んでしまった。
とりあえず自分の歌姫に怪しげな薬を盛られて暴走し、気がついたらここにいたと説明した。

英3「…マジでか?」
英2「…大変ですね」
英1「…苦労してるようだな…」

奏甲越しではあるが、英雄達が一様に同情の眼差しを向けているのを感じることができた。

ゼ「…で、そっちは何を?」
英1「ああ、俺達は最近確認された新種の奇声蟲の討伐の依頼を受けてな」
ゼ「ああ、なるほど(それが普通だよなぁ…)」
英1「で、俺達はこれからその新種を探しに行くんだが…お前はどうするんだ?」
ゼ「う〜む…道案内してもらうつもりだったんだが…依頼中じゃ仕方ないか」
テ「どうでした?」
ゼ「新種退治の依頼中なんだと…案内は頼めそうに無いな」
テ「…要するにその新種を退治すればいいんですね」
ゼ「…ちょっと待て、まさか俺に新種退治を手伝えと?」
テ「あら、いけませんか? 報酬の代わりに道案内を頼めば一番早くここから抜け出せると思うんですけど」
ゼ「ぐっ!」

確かに何も問題は無い。
別に報酬がもらえなくてもここから抜け出せるのならそれでいい、とゼフィールも思っている。
しかし、ゼフィールにはテールがその新種と戦いたがっているような気がしてならないのだ。
こういう時には必ずろくな事が起こらないのをこれまでの経験から確信していた。
…そして、こういう時は抵抗しても無駄なことも分かっていた。
ため息を吐きつつゼフィールはその英雄と交渉を始めた。

ゼ「…という訳で、是非手伝わせてくれ」
英1「そうだな…敵も未知数だし戦力は多いに越した事はないか…よし、いいだろう。宜しく頼む」
英2「それじゃ、宜しく」
英3「足引っ張るなよ〜」
ゼ「うぃ〜っす…」

力無くそう言うと三人の奏甲の後についていった。
ゼフィールには正直、戦力になる自信は無いのだが三人ともなかなかの手練のようなので
自分の出番は無いだろうと高を括っていた。


しばらく進んでいくと何回か奇声蟲の襲撃に遭ったが、どれも衛兵種の小規模な群れで
ゼフィールの出番は殆ど無かった。
結構な時間が経ったが本命の新種になかなかあえず、一団の空気も若干ピリピリしてきた。
流石に飽きてきたのか

テ「なかなか出てきませんねぇ、蟲寄せ薬でも使いますか?」
ゼ「…頼むからやめてくれ」
白「…すぴ〜…もう食べられません〜」

などという不吉な会話をした直後、今までに聞いたことの無いようなノイズが
辺りに響き渡った。

白「ひゃっ! ごめんなさい、もうしません〜!」
英1「!!本命か?」
ゼ「なっ!? まさか使ったのか!?」
テ「いえ、まだですよ」
ゼ「『まだ』っつ〜ことは使う気だったんかい!」
テ「それどころじゃありませんよ、あれを見てください」
ゼ「あれって……うおっ!」
英2「大きい…」
英3「マジかよ! あのサイズで飛ぶなんて聞いてねぇぞ!」
英1「これは…噂以上だな…」

白玉を除く面々が各々の反応をする。
目の前に現れた奇声蟲は貴族種よりも一回り大きく、さらには羽を持ち飛行していた。
貴族種一匹に対して奏甲8体がセオリー(現在では奏甲の性能が向上し、英雄の錬度も上がってきているので
もっと少数でも大丈夫だが)であるのを考えるとこの数で挑むには厳しいものがあった。

英1「怯むな! いくら飛んでようと攻撃方法は爪か牙だけだ。攻撃をしに降りてきたところで
   羽を狙え!」
英2「分かりました!」
英3「オス!」

流石に場慣れしているようで、すぐに的確な指示を出すリーダー。
辺りに織歌が響き渡り、全員戦闘稼動状態に入る。(テール以外の歌姫は森の外から歌っている)
各々の武器を構え奇声蟲に対峙する三機のシャルラッハロートV。
ちなみにそれぞれの武装は、英1がグレートソード、英2がショートソード×2、英3がマシンガンである。
ゼフィールもテールと白玉を下ろし、サブマシンガンを構える。

緊迫した時間が流れる。
先に静寂を破ったのは奇声蟲のほうだった。
奇声を撒き散らしながら、急降下してくる。
狙いは英1の奏甲、その巨体で押し潰そうと迫っていく。
英1は予想していたのか、紙一重でかわし、すれ違いざまに羽を狙う。
しかしその攻撃は奇声蟲の外殻を削っただけで羽を切り落とすには至らなかった。
英2が追い討ちをかけようと接近するが奇声蟲はすぐに上空へ逃れる。

英3「この野郎!」

そう叫び、英3がマシンガンで狙い撃ち、ゼフィールもそれに続くが
既に距離が開き、たいしたダメージを与えられない。

英2「くっ、予想以上に速いですね…」
英1「だが攻撃は単純だ。長期戦でいけば倒せない相手じゃない」
英3「はっ、所詮は蟲ってことか!」

そう言って英雄達は陣形を立て直す。
ゼフィールもその通りだと思ったが、それと同時に何となく嫌な予感がしていた。
それはテールとのやり取りによって培われた勘によるものだったが、
うまく説明できないので黙っていた。
そしてその勘は当たっていた。

上空を旋回していた奇声蟲が再び急降下してくる。

英1「来るぞ!」
ゼ「!」

ゼフィールはとっさに後方に下がった。
奇声蟲の目標は奏甲ではなく、陣形のちょうど中央の地面だった。

ドゴォォォオオオン!

英2「なっ!?」
英3「くっ!」

激しい振動により三機は一瞬行動不能に陥る。
その一瞬の間に奇声蟲は羽を広げ、周囲を薙ぎ払った。
周囲の木々も同時に薙ぎ払われ、奇声蟲の足元は落下の衝撃と回転により削れ窪んでいた。
その光景はちょうど昨日野宿した広場と同じだった。

ゼ「あぁ〜、あそこってあいつがあれやった跡だったんだ…」
テ「だとすると、奇声蟲に感謝ですねぇ」
ゼ「複雑な気分だな…」

余裕に見えるが、かなり無理をしていつものように振舞っている。
ただし、テールは素である。

ギィィィィィッ!

突然、奇声蟲がノイズとはちがった叫び声のようなものを上げた。

英1「へっ、ただでやられるかってんだ」

見ると、奇声蟲の羽の片方が切り落とされている。
羽での攻撃にあわせて英1が剣を振るったのだ。
しかし、勢いは殺しきれず英1の奏甲は木に叩きつけられた。
多少装甲が歪んだようだがまだ戦闘は可能である。
あとの二人の奏甲は直撃を受け、何とか戦闘可能という状態である。
対する奇声蟲は飛べなくなったとはいえ羽以外にはたいしたダメージは無い。
残った羽をばたつかせ一頻り鳴いた後、英1の奏甲に向き直った。

英1「まずは羽の恨みってか…お前ら、被害状況は?」
英2「…左腕をやられました。右腕も反応が鈍いです」
英3「くそっ、右足がやられちまった。走れそうにない」
ゼ「あ〜、一応無事だ」

そう報告したところで、奇声蟲が英1の奏甲へ突進する。

英1「ちっ、援護しろ!」
ゼ「(この状況じゃあ俺も前線に行くしかないんだろうなぁ、畜生〜)」

そんな事を考えつつ、ゼフィールはサブマシンガンを撃ちながら奇声蟲を追いかける。
英2の奏甲も同様に追いかけ、英3の奏甲はマシンガンを杖代わりに歩き出す。
奇声蟲は銃弾を気にする様子もなく突進し、その突進をまたも紙一重でかわした英1の奏甲は
足を狙おうとしたが、奇声蟲がすぐに爪で攻撃してきたため防御せざるをえなかった。
その後も爪での攻撃が絶え間なく続き、防御するので手一杯のようだ。
先に英2の奏甲が追いつき攻撃を加えるが、やはり腕の調子が悪いのか外殻の表面に傷をつける程度でしかなく、
奇声蟲の注意をそらす事すらできない。

英2「くっ! これなら!」

それでも何とか外殻の隙間に剣をねじ込むと、流石にそれは無視できなかったのか奇声蟲は英2の奏甲に爪を振るう。
防御が間に合わず、まともに胴体部分に喰らってしまい、英2の奏甲は吹き飛ばされ英2は気絶してしまった。

英1「そこだ!」

奇声蟲が英2に攻撃している隙に、英1は奇声蟲の死角に回り込み足の一本を切り落とす事に成功した。
怒り狂ったように鳴き声を上げる奇声蟲。先ほどよりも激しく爪を振るう。
何とかその攻撃を捌きつつ、追いついてきたゼフィールに

英1「おい! 頭を狙え!」

と、指示を出す。
ゼフィールは言われたとおり頭を狙って発砲するがなかなか命中しない。

英3「テメエ、真面目にやりやがれ!」

それを見ていた英3が苛立たしげに言う。
もちろんゼフィールは真面目なのだが、これまでマシンガンは弾幕を張るぐらいにしか
使った事がなく、狙って撃つのには不慣れだったのである。

ゼ「いや、こっちも必死だって…」

そう呟いて援護を続ける。
それでも数発は命中しているらしく、時折奇声蟲が怯む事があった。
その隙に確実に攻撃を加える英1。
近くまで何とか歩いてきた英3の奏甲も攻撃に加わる。
徐々に奇声蟲が弱っていき、このまま行けば倒せると思ったとき、ゼフィールはまたしても嫌な予感がした。
とっさに後ろへ飛び退く。その眼前を、何かが通り抜けていった。

英1「ぐっ!」
英3「どわっ!」

奇声蟲が残った羽を広げまた回転したのだ。いつの間にか羽の射程内に全員が入っていたのである。
爪の攻撃に集中していた英1は、今度は直撃を受けてしまった。
何とか立ち上がったようだが明らかに動きが鈍っている。
英3はマシンガンを腕と一緒に持っていかれてしまった。

ゼ「うわ〜、俺の危機回避能力ってすげぇな…」

などと軽口をたたいてみるが、笑う余裕すら残っていない。
弱っているとはいえ、実質貴族種との一対一である。
こちらが奇跡的に無傷とはいえ、勝てる気は全くしなかった。
奇声蟲がゼフィールに狙いを定める。
何とかテールだけでも逃がそうと覚悟を決めたとき

テ「…そろそろですねぇ」

と、テールが呟いた。
その瞬間、ゼフィールは先程とは比べ物にならない程の嫌な予感がした。

ゼ「…そろそろって、何がだ?」

ゼフィールの額を汗が流れる。

テ「昨日取った薬草で、昨夜の内に新しい薬を作ったんです。一定以上の興奮状態になると効果が出る
  薬なんですよ。注射でないといけないのが難点なんですが、打っておけば効果が発揮されるまで
  体に残るという便利なものなんです♪ 効果も抜群ですし」
ゼ「て、てめぇ! 昨日早く寝ろって言ったのはその為かぁぁぁっ!」
テ「あらあら、人聞きの悪い。私は本当にゼフィールさんの体を心配して…」
ゼ「だったら変な薬の実験するなぁぁぁぁぁ!…はうあっ!…」

テールとのやり取りで一気に薬が回り始めたゼフィール

テ「(ワクワク)」
ゼ「………な〜に見てやがんだ、コルァァァアアアッ!!」

そう叫ぶと、ロングソードを抜き放ち一瞬で奇声蟲との間合いをつめる。
突然のゼフィールの凄まじい叫びに、流石の奇声蟲も怯んだようだがすぐに羽で迎撃をする。

ゼ「おせぇんだよ!」

常人とは思えないほどの反応で羽を跳び越え、何と羽の上を渡っていく。
奇声蟲は振り落とそうとするが、羽を振った時には既にそこにいなかった。
ゼフィールは羽の上でさらに跳び、羽の付け根に向かって真っすぐ急降下する。

ゼ「オラァァァァッ!」

一閃、奇声蟲の羽がドスンッ!と落ちる。と同時にロングソードが砕け散った。
奏甲の全重量のかかった一撃に耐え切れなかったのだ。
叫び声を上げ、今度は爪で攻撃してくる奇声蟲。

ゼ「せいぜい、いい声で鳴くんだなぁっ!」

それを余裕でかわし、突き刺さっていたショートソードを抜いて、
鮮やかとも言える動きで瞬時にその足を解体する。
ゼフィールの突然の豹変ぶりに、二人の英雄、そして先程目覚めた英2もただ呆然としていた。

ゼ「次ぃぃぃっ!」

さらに残りの足を狙うゼフィール。
奇声蟲も何とか迎撃しようとするが、足二本を失ったせいでうまくバランスが取れず
攻撃を掠らせることすらできない。
一本、また一本と足が解体されていく。

ゼ「はぁ〜っはっはっはっはぁ!」

ゼフィールの笑い声が響き渡る。
対する奇声蟲は絶えずノイズを発しているのだが、ゼフィールは全く意に介していない。
そしてとうとうすべての足が無くなった。
ショートソードをを投げ捨て、背中に飛び乗りサブマシンガンを構える。
奇声蟲は残った攻撃手段であるノイズをこれまでで最大の規模で発する。
三人の英雄は思わず耳を塞ぎ、嘔吐しそうになったが、
それでもゼフィールにとってはテンションを上げるものでしかなかった。

ゼ「はぁ〜っはっはっはぁ! 鳴けぇ、喚けぇ、そして死ねぇぇぇぇぇぇっ!」

どこかで聞いたような台詞を叫んで銃を乱射するゼフィール。
ノイズが徐々に小さくなり、とうとう何も言わなくなった。

ゼ「くっくっくっくっく…はぁ〜っはっはっはっはぁ!」

高らかに雄叫びを上げ、空に向け銃を乱射する。
三人の英雄は安堵と共に恐怖を感じていた。
どう声をかけていいものか悩んでいると、突然ゼフィールの奏甲が地面に落下した。
しばらく呆然としていたが、三人は仰向けに倒れているゼフィールの奏甲に近づいていった。

英1「…おい、大丈夫か?」
ゼ「……うっ…何とか…」
英2「…もの凄い強さでしたね」
英3「お前、多重人格かなんかか?」
ゼ「…まぁ、似たようなもんだ」
英1「ま、何にせよお前のおかげで助かったのは事実だしな…こりゃ報酬を払わないといけないな」
ゼ「いや…報酬はいいから森の外まで運んでくれ。頭ん中がぐるぐる回ってて動けそうに無い…」
英3「何か常習でもしてるのか?」
英2「まあまあ、とりあえず森を出ましょう。今、奇声蟲に襲われたらひとたまりもありませんし」
英1「そうだな、おい、そっち持て」
英2「はい」
英3「うぃっす」
ゼ「あ、そうだ、テールは?」
テ「ここにいますよ」

テールはいつの間にか奏甲のハッチの上にいた。
白玉はテールに抱えられまた寝ていた。

ゼ「元はといえばお前のせいだからな。礼は言わんぞ……あと白玉を叩き起こせ」
テ「はい♪」
白「げふっ!」

ばしぃっ!とすごい音が響き渡り、白玉は目覚めと同時に気絶した。
満足したゼフィールは目を閉じると、あっという間に眠りについた。
                  ・
                  ・
                  ・
ゼフィールが目覚めたとき、そこはフェアトラークの宿屋の部屋だった。

ゼ「…(あれ?今までのって夢か?…そうだよなぁ、いくら弱ってたからって
  俺が一人で新種を退治できるわけないよなぁ)」

それにしてもリアルな夢だったなどと思いつつゼフィールは起きようとした、が

ゼ「っっっ……!!!」

全身を奔る激痛に悶絶してしまった。
それだけではない。動かそうと思った部分が動かない。
まるで自分の体ではないかのようだ。

ゼ「(あ〜夢じゃなかったのか…)」

自分の体の状態でそう確認する。

ゼ「(そういや、あのあとどうなったんだろ…)」
テ「あのお三方にここまで運んで貰ったんですよ」

いつの間にか部屋の中にテールが入ってきていた。

テ「おはようございます。お体の具合はどうですか?」
ゼ「…これ以上ないってぐらい最悪だよ」
テ「そうですか…ああ、運んで貰った後ですが、武器弾薬の費用を貰っておきました。
  奏甲は無茶な乗り方をしたため破損が激しく、乗り換えた方が安いそうです。その費用も貰いました」
ゼ「そうか…ま、とりあえず今日はゆっくりさせてもらうぞ」

今のゼフィールにはこうやって話すのすら辛いのである。
しかし、それを知ってか知らずかテールは

テ「それと、実はそれ以外にも報酬を貰いまして…ですから、これからお買い物に行きましょう♪」
白「わ〜いわ〜い♪ お買い物、お買い物〜」

などと言う。思わずゼフィールは叫んでしまったが

ゼ「テメェらいい加減に…っっっ!!!」

途中で言葉にならなくなってしまった。

テ「あらあら、そんなに興奮するとまた…」
ゼ「……また?……!? まさかお前またアレを注射した、の、…かはっ……
  はぁ〜っはっはっはぁ! お前らぁ!店ごと狩ってくるぞぉ!」
テ「…連続使用に何処まで耐えられるのか…いい実験になります♪」
白「わ〜い♪」

…その後、その宿周辺には草木一本残らなかった…訳は無く、宿を出てすぐゼフィールは力尽き
その後、三日間寝込んだ…
その間にテールが作った薬の被験者は白玉だった。結果は…言うまでも無いだろう。


良くも悪くもこれがこの英雄と歌姫+αの日常であり、これからもこの調子で旅を続けていくのだろう。
力尽きるそのときまで…


余談
ゼ「…力尽きたらホルマリン漬けにされそうだ…」
白「ひょっとしたらリビングデッドじゃないですか〜?」
ゼ「笑えねぇ…」




あとがき
 後編も読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。オチを考えずに書き始めてしまい、これだけを
 書くのに随分時間がかかってしまいました。…次からはちゃんとプロットを決めてから書き始めたいと思います。
 この話は読みきりのつもりで書いたんですが、続きを書くかもしれません。
 まだまだ駄文ではありますが、皆さんの暇つぶしぐらいになればいいかな、と思ってこれからも書いていきます。

修正後
 英雄1,2,3があまりにも何にもしてないなぁと思い、戦闘部分を大幅修正したのですが…更に長くなって
 しまいました。とりあえず、文をコンパクトにまとめる練習が必要だなぁと痛感いたしました。
 次の作品では多少はましになっているはずです…多分。それでは、また次の作品で。

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