〜激戦!三つの黒〜(中編)

奏甲バトル3回戦
カイゼル=ラウロッシュ  VS ネレイス=イニシエイト
サレナ=ブルームーン      キャロルグランパーム
シャルラッハロートIVカスタム ブラオヴァッサァカスタム

バトル会場の廊下。でかでかと貼り出された対戦表を見るカイ
ゼル達。
カイゼル「ふむ。次はネレイスか」
サレナ「ネレイスか・・・じゃないですよ。どうするんです」
カイゼル「どうする?ただ戦うだけだろう」
サレナ「戦うだけって・・・そんな・・・本気で・・・ですか
」
カイゼル「当たり前だ。ネレイスとてラウロッシュ家の誇り高
きメイド、手加減など不要」
サレナ「でも・・・」
ネレイス「サレナ様、心配ご無用です」
廊下の向こうからネレイスは静かな足取りでカイゼル達に近づ
いて来る。真っ直ぐにカイゼルを見つめ。
ネレイス「ラウロッシュ家使用人部門主任ネレイス=イニシエ
イト。ご主人さま、全力で相手をさせていただきます」
カイゼル「よかろう。こちらも全力でいくぞ」
ネレイス「勿体なきお言葉。必ずやご主人様の期待に応えてみ
せます。」
ネレイスはスカートの端を掴みお辞儀をするとマシンガンを取
り出しカイゼルに向けた。
サレナ「ネレイスさん!?」
いきなりの危険な行動にサレナは驚き大声を出す。
カイゼルはそれを手で制すと腰に提げてある剣を抜いてネレイ
スに向かって構える。
ネレイス「我が銃、我が半身に誓い」キャロルの手を掴み寄せ
る
カイゼル「我が剣、我が半身に誓い」サレナの肩を抱き寄せる
ネレイス・カイゼル「我は己の誇り、ラウロッシュの名に賭け
て戦う」
キン・・・。銃口と剣先、金属同士がぶつかり合って奏でる澄
んだ音色が響く。
カイゼルは不敵にネレイスはあくまで優しく、お互い笑いあう
。
サレナは顔を真っ赤にしキャロルは興奮気味に繋いだ手を振り
回し飛び跳ねる。

―戦闘開始―

キャロル「そーれ、いっけぇー!」飛翔歌術発動。
ネレイスのブラオヴァッサァはホバー機能を得る。
ネレイス「いきます!」
横にスライドしながらのマシンガン掃射。
カイゼル「ふんっ」
カイゼルのシャルIV、アークウイングを展開しブーストジャ
ンプで避ける。
カイゼル「やるなネレイス。だが甘い!」
落下にまかせ大上段から剣を振り下ろす。
ネレイス「勝負を焦りすぎです。カイゼル様」
ネレイス機後方にスライド。剣を避けられ無防備に着地したカ
イゼル機に向かってマシンガン発射。
サレナ「危ない!」
叫ぶサレナ、しかしカイゼルは不敵に笑い
カイゼル「避けられないなら・・・受ける!・・・だったか」
飛んでくる弾丸を剣を横にすることで受ける。
ネレイス「ふふ、ザナウ様みたいですね。ですがこれなら!」
両者一歩も引かない激しい攻防が続く

カイゼル「埒があかんな。サレナ!ハウリングを使う!」
サレナ「わかりました。ハウリングオブアーク起動」
・・・・・・。カイゼルの勢いむなしくHOAは起動しない。
カイゼル「なっ!?」
サレナ「・・・きっと・・・私のせいです」
カイゼル「どういうことだ?」
サレナ「その・・・さっき・・・」
俯き最後の方はかすれるような小声で喋るサレナ
カイゼル「なんだかわからんがどうにかしろ。隙を見逃すヤツ
じゃないぞネレイスは」
サレナ「・・・ネレイスさん・・・」
やはり小声。戦闘前の儀式(剣と銃を重ねた事)はカイゼルの
家に古くから伝わるモノらしい。
ネレイスとカイゼルの現世での結び付きを再確認してしまった
サレナはずっと嫉妬心と戦っていた。
カイゼル「言いたい事があるならはっきり喋れ」
サレナ「ネレイスさんはカイゼル様のメイドなんですよね」
カイゼル「何を今更。またやきもちか?今はそんな事言ってる
場     合じゃ・・・」
サレナ、カイゼルの言葉を大声で遮る
サレナ「また!?そんな事!?確かにやきもちかもしれないで
すけど、そんな言い方ないじゃないですか!」
カイゼル「サレナ・・・」
サレナ「知りません」ぷいっ
ネレイス「隙あり!」
キャロル「いっけぇー!尾っぽキィイイック!」
ドガン!
動きが鈍ったカイゼル機にネレイス機はブラオヴァッサァの長
大な尾を使った格闘をしかけた。
カイゼル「っぁがあ!」
サレナ「きゃぁ!」
尾びれで強烈な足払いをくらったカイゼル機は派手に転んだ。
カチッ
ネレイス「チェックメイトです。ご主人さま」
キャロル「勝った〜!」
ネレイス機、倒れたカイゼル機の顔面をポイント。勝負は決ま
った。
司会「試合終了ーーーー!勝者!ネレイス=イニシエイトーー
ーー!!!!」

バトル司会の絶叫が聞こえる。
コクピット内。カイゼルは悔しさをこらえつつ先の転倒で自分
の体に覆い被さる形となったサレナに話しかけた。
カイゼル「・・・まったく、おまえはいつも・・少しは考えろ
」
サレナ「ぅぅん・・・。カイ・・・ゼル様」
転倒の衝撃でまだ意識がはっきりしないようだ。
カイゼル「はぁ・・・とにかくどけ」
サレナ「へっ!?あっ!?ごっ、ごめんなさい」
ようやく自分がカイゼルにのしかかっていた事に気づいたサレ
ナは慌てて離れた。
サレナ「その・・・」複雑な表情
カイゼル「以外に重いなおまえ」
サレナ「なっ!?」カッと目を開き抗議の表情
カイゼル「冗談だ。心地いい重みだったぞ。重くもなく軽くも
ないおまえの重みだ」
サレナ「知りません」ぷいっ
カイゼル「ふっ、顔が真赤だぞ。それよりよく聞け。ネレイス
と俺はなんでもない。ただのメイドと主人ってだけだ」
サレナ「それが!」
カイゼル「いいから黙って聞け。おまえが知らない俺がいるよ
うに俺が知らないおまえもいる。」
サレナ「カイゼル様が知らない・・・私」
カイゼル「しかし、そんな事など関係ない。おまえは俺のパー
トナーだからな」
サレナ「私なんかに興味がないって・・・ことですか」
カイゼル「わからんヤツだな。俺の過去やおまえの過去がどう
であれ俺はお前を・・その・・気に入ってるって事だ」
サレナ「えっと、その、ごめんなさい・・・ありがとう・・・
」
恥ずかしくなってそっぽを向くカイゼル。サレナはそんなカイ
ゼルの手をそっと握るのだった。

フィイイイイイイイイン!
空を揺らす爆音。白く巨大な奏甲が降りてくる。
ガルフ「自分のメイドに負け、歌姫などと親愛を深める。愚か
さもここまで極まると一種の芸術だなラウロッシュ」
カイゼル「ガルフ!?とうとう来たか!」
バトル会場に下りてくるガルフの白く巨大な飛行型奏甲。
カイゼルとサレナは手を離し、それぞれの席につくとシャルI
Vを急いで立たせた。
ガルフ「これ以上愚かな芸術を極められても困るからな。さっ
さと死ねぇ!」
突進してくるガルフ機。カイゼル機は身構える。
―ピン―
ガルフ「くっ!」
カイゼル機とガルフ機の間にワイヤーのようなものがあるのに
気づきガルフ機急停止。
カイゼル「?」
ガルフ「誰だ!」
ワイヤーが伸びている先を見つめる。
絶対奏甲ナハトリッタァ。デッドアングルの機体がバトル会場
の照明装置の上に立っていた。
デッド「これから死ぬやつに名乗る名などない!」
ナハトはガルフに向かって突進する。
カイゼル「あの機体・・・まさかあの時の・・・」

つづく

はい。というわけで中編をおおくりしました。
いまいち話に新鮮味がなかったかな・・・。やば。
次がおそらくラスト。新見さん、次はデッド大活躍です。自分
頑張りますよw

次回予告
キャロル「てわけで次回予告〜!やってみたかったんだよね〜
。んとね、次回はねいわゆる三つ巴なの」
ネレイス「作者様は三つの黒とか言ってますから私達はあまり
活躍なさそうですね」
キャロル「デッちんのアークワイヤー!カイぱんのHoA!そ
して明かされるガル糞の超武装!」
マリー(次回〜激戦!三つの黒〜(後編))
ネレイス「アーカイアの未来にご奉仕するにゃん?」

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