〜激戦!三つの黒〜(後編)

奏効バトルEX
カイゼル=ラウロッシュ VS デッド・アングル VS ガルフ=ケルブレイド
ネレイス=イニシエイト

デッド「死ね!」ガルフ機に突っ込むデッドのナハトリッタァ
ガルフ「ふん!」腕でなぎ払おうとするガルフ機
デッド「甘い!」
デッド機急旋回、アークワイヤーを伸ばしながらガルフ機を一周する。
ガルフ「うるさい蝿が!」
ガルフ機、体中の各所のハッチを展開し小型ミサイルを乱射。
デッド「くそ!」
デッド機、きりもみしながら後方へジャンプ。ミサイルをかわす。
距離が開く

ガルフ「その声、いつぞやの負け犬か」
デッド「負け犬だと・・・言ってくれる」
マリー(でも・・・この前は負けた)
デッド(どっちの味方だおまえは)
マリー(・・・デッド・・・)
デッド(なら少し黙ってろ)
マリー(うん・・・でも・・・今のままじゃ)
デッド(俺は勝てないっていいたいんだろう。確かにヤツは強い・・・)
ガルフ「ふん、怯えて声も出んか。貴様にかまっているヒマなどない。失せろ!」
ガルフ、無言の会話にしびれをきらす。
マリー(危ない!)
デッド(くっ)
ネレイス「させません!」
デッド機に襲い掛かる小型ミサイルの群れ。
ネレイスはブラオヴァッサァをデッド機の前に持ってくると片っ端からミサイルをマシンガンで打ち落とした。
ネレイス「ついでです!消えなさい!」
ミサイル迎撃の勢いに乗りガルフ機本体も攻撃
ガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキン!
ガルフ「きかんな、そんなもの」
ネレイス「なっ、どうして・・・」
ネレイスの放った弾丸はガルフの装甲にとどくことすらなく見えない壁のようなものに遮られる。
マシンガンの弾丸はむなしくガルフ機の手前に転がっていた。
ガルフ「未完成なこの前と同じと思ってもらっては困る」
ガルフ「完成したこの奏甲は無敵だ」
デッド「・・・偉そうに。何が無敵だ・・・」
マリー(だめ・・・デッド!)
マリーの制止を無視し再び突進するデッド。
ネレイス「援護します!」
横にスライドしながらマシンガン掃射。
しかし、またも不可視の壁に防がれる
ガルフ「ラウロッシュ家の使用人は馬鹿なのか、まぁ主人がアレではな。なんと憐れな一族だ」
デッド「油断は命取りだぞ・・・素人が!」
弾幕の影から踊り出たデッド機はアークワイヤーを走らせる。
しかし、不可視の壁は突き抜けはしたもののそれにより勢いを殺され本来の威力が出せない。
デッド「くそっ!」

デッド、ネレイスとガルフが激しい交戦を繰り広げている頃カイゼル達はHOAを起動させ、アークを練り始めていた。
カイゼル「よし、順調だ。ネレイス達が時間を稼いでくれている間に完成させるぞ」
サレナ「はい。もう少しです」
カイゼル「しかし、なんなんだあの壁みたいのは全体を覆っているようだが・・・」
サレナ「きっと、防御フィールドの一種です。とても強力な」
カイゼル「そんな事は分かってる。だからコイツで壁ごとぶった切る!」
サレナ「アーク、臨界点に到達」
カイゼル「よし!はぁあああああ!」
サレナ「やあああああ!」
シャルラッハロートIVの両腕に握られたエンシェントソードにアークが集中。巨大な刀身を形成する。
カイゼル「いくぞ!」
サレナ「はい!」
ちょうどデッドの攻撃が不発に終わった時。ガルフの一瞬の隙を付き大上段から切りつける
カイゼル「くらえ!ガルフ!」
ガルフ「ようやく動いたかラウロッシュ。だが甘いよ」
ガルフ機巨体に似合わぬ速さでスライド。なんなく避ける。
デッド「隙だらけだぞ素人が!」
デッド機回避に気を取られたガルフ機にアークワイヤーを伸ばす。
ガルフ「なめるな!」
ガルフ機、カイゼル機を強引に掴むと盾にする。
デッド「ふん」特に気にする様子もなく攻撃を続ける。
カイゼル機、デッド機のアークワイヤーをくらい続ける。
カイゼル「貴様、なんのつもりだ!」
デッド「そいつを殺すのに貴様が邪魔なだけだ。さっさとどけ!」
カイゼル「があああ!くそっ!」ガルフ機の拘束を力まかせに振りほどく
カイゼル「こっちも貴様などに構っているヒマはない」
カイゼル機、デッド機に向けて剣を振る。
デッド「そんな馬鹿でかいものにあたるか」かわすデッド機
カイゼル「くそっ、HOAを扱いきれない・・・」
サレナ「焦ってはダメですカイゼル様。起動してまだ数回です。慣れないのは仕方ありません」
カイゼル「そんな悠長な事言ってる場合か!機動性の高いヤツを二人も相手しなきゃならんのだぞ」
サレナ「すいません・・・」シュンとするサレナ
カイゼル「・・・っく。まぁいい。俺だけでは扱いきれん。サレナ、サポート頼むぞ」
サレナ「はい。わかってます」ガッツポーズなサレナ
デッド「邪魔をするつもりならおまえも殺す」
マリー(デッド・・・ダメ・・・)
デッド「うるさい!」
デッド「亀が・・・いくら威力があろうが当たらなければ意味はない!」
カイゼル「当たればこちらの勝ちだ。いつまでも避けつづけられると思うな!」
カイゼルが巨大剣を振り回しデッドがひたすら回避する。この構図がしばらく続く
カイゼル「はぁ、はぁ、くそっ・・・」疲労がたまる
デッド「はぁ、はぁ・・・貴様はよくやったよ・・・だが!」
腕を強く引くデッド機。アークワイヤーが四方八方からカイゼル機を襲う。
カイゼル「がぁ!」捕縛されるカイゼル機
デッド「俺がただ避けていただけと思ったか。甘いんだよ!」
サレナ「駄目です。がっちり食い込んでいて離れません」悲痛なサレナの声
デッド「このまま死ね!」
マリー(デッド・・・ダメ!)
デッド「うるさいと言っているだろう!」
ガルフ「貴様にラウロッシュを殺されてはこまる。調子に乗るな」
デッド機の真横、いつのまにか距離を詰めていたガルフ機がデッド機を殴る。
デッド「ごはぁ!」
ひしゃげるデッド機の装甲。アークワイヤーが緩んだ隙を見てカイゼル機脱出。
カイゼル「まさかおまえに助けられるとはなガルフ」
ガルフ「勘違いするな・・・貴様は俺の獲物だラウロッシュ」
デッド「この野郎!」ガルフ機に殴りかかるデッド機
ガルフ「そら、今度はおまえが俺を助けてくれよラウロッシュ」
ガルフ機、近くにいたカイゼル機を掴むとデッド機に向けて投げつける。
カイゼル「なっ!?ぐぁあ!」
デッド「がああああ!」
カイゼル機とデッド機衝突。そのまま吹き飛ばされる。
ネレイス「カイゼル様!・・・っく、なんてパワーなんです」
キャロル「妨害歌術やってみる」
ネレイス「お願いしますキャロル様。今のままでは出力に差がありすぎます」
キャロル「邪魔ジャマー!」
ネレイス「うう・・・キャロル様・・・相変わらず素晴らしいネーミングセンスです・・・」
キャロル「あれ・・・おかしいな、手ごたえない」
ガルフ「ふん、小娘が。妨害歌術など効かん。言ったであろう。我がズィーベント・ギガンティアは無敵だと」
ネレイス「なんてこと・・・歌術まで効かないなんて・・・」
キャロル「通常攻撃は止められちゃう、歌術も効かない・・・まさかクロイツシリーズ・・・」
ガルフ「ほう、察しがいいな小娘。しかし少し間違っている」
ガルフ「冥土の土産に教えてやろう。このズィーベント・ギガンティアはクロイツシリーズの量産型だ」
キャロル「そんなの聞いたことないよ!嘘つくなー!」
ガルフ「信じられんのも無理はないか、どこぞの領主が隠匿していたクロイツ・ズィーベントを研究し」
ガルフ「量産して世界を我が物にしようなどと企んでいたものの試作機を我が頂いたものだからな」
キャロル「そんな・・・嘘だよー!」
ガルフ「物分りの悪い小娘だな。カンは鋭いのに惜しいものだ。しかしこれは真実だ。貴様がどう思おうとな」
ガルフ「ちなみにその研究機関は潰しておいた。この力を得るのは我一人でよい」
ネレイス「なんて酷い事を・・・」
キャロル「むー!なんかわかんないけどあったまきたー!お弁当キャンディだかなんだかしらないけどぶっ潰すー!」
ネレイス機急加速。ガルフ機の懐にもぐりこむ。
ネレイス「いくらフィールドがあろうとこの距離ならば!」
ゼロ距離でのマシンガン掃射。以前ガルフ機を撤退させた戦術をネレイスは正確に再現した。
ガルフ「馬鹿の一つ覚えか・・・無駄だと言っただろう!」
ネレイス「えっ!?きゃあああ!」
キャロル「あぅあああ!」
ゼロ距離でのマシンガンは確かにガルフ機の装甲を破壊した。しかし破壊したそばから再生されていく。
圧倒的なパワーでなぎ払われたネレイス機は機体を大きく破壊されながら吹っ飛んでいき沈黙した。
カイゼル「ネレーイス!」
サレナ「そんな・・・嫌ぁ!」
サレナを通して通信が送られてくる
ネレイス(・・・大丈夫で・・・カイ・・様・・しか・・奏甲・・動きませ・・・)
カイゼル「わかった。もういい。おまえは下がっていろ」
ネレイス(申し訳・・・せん・・・ぅぅっ・・・」
デッド(おい・・おまえら・・・)
今度はデッドからの通信だ。サレナは慣れない波長からの交信に不信な顔をする
サレナ(誰です?)
マリー(・・・この前はどうも・・・私はマリーツィア。さっきのはデッド)
カイゼル(この前・・・そうか・・・やはりあの時のナハトリッタァなんだな)
デッド(ああそうだ・・・しかしなんなんだアイツはクロイツの量産型なんてもん持ち出して何をしようとしている・・・)
カイゼル(知らん・・・とりあえず俺を殺す事が第一目標らしいがな・・・)
デッド(ふん・・・なら手伝え・・・俺はアイツを殺す・・・)
マリー(デッド・・・めずらしい・・・)
デッド(一人では荷が重い相手だ・・・必要ならば助けも借りる・・・俺とて死ぬのはゴメンだ)
マリー(そう・・・ならなんとかなるかも・・・)
カイゼル(気に入らんな)
サレナ(カイゼル様!?)
カイゼル(手伝えだと・・・さっきは散々攻撃してきたくせに今更何を言う・・・)
デッド(ほう・・・ただでは尻尾を振らんか、おもしろい)
サレナ(えっとすいません。カイゼル様もほら謝って)
マリー(デッド・・・さっきはこっちが悪い・・・先に謝る・・・)
カイゼル・デッド(謝るだと!)
サレナ・マリー(いいから謝る!)
カイゼル・デッド(すっ、すいません)
サレナ(お互い苦労しますねマリーさん)
マリー(・・・ええ・・・)
ガルフ「何を相談している。雑魚がいくら集まった所で我には勝てんぞ」
ゆっくりとカイゼル達に近づいて来るガルフ機。
サレナ(話をして時間を稼いでください・・・その間に作戦を考えます・・・)
サレナはカイゼルに指示を出す。
ガルフ「ラウロッシュ、珍しい武装を手に入れたようだな。乗り換えもしている。やはりあの時のハルニッシュブルムはおまえのか」
カイゼル「なに!?貴様、ザナウに会ったのか!?」
ガルフ「ああ、見事に騙されたがな。飄々としてよく分からんヤツだった。安心しろ殺してはいない」
カイゼル「当たり前だ!殺してなんかいてみろ、本気で許さんぞ!」
ガルフ「ははははは、そう熱くなるな。たかが人間一人だろうに」
カイゼル「この腐れが・・・」
マリー(まだ・・・)
サレナ(ごめんなさい、今終わりました。説明します。よく聞いてください)
サレナ(まずえっと、デッドさん達はアークワイヤーの出力を弱めてください)
デッド(出力を弱めるだと・・・ただでさえパワーで不利なんだぞ。何を考えている)
マリー(デッド・・・静かに聞いて・・・)
デッド(そもそも素人考えで倒せるもんじゃない・・・俺が考える)
マリー(・・・静かに聞いて・・・)
デッド(・・・っああ・・・わかったよ)
サレナ(続けます。次に出力を弱めたアークワイヤーでガルフ機の機体を包むフィールドごと固定して動けなくしてください)
カイゼル(なるほど・・・今のままの出力ではフィールドを貫いた時点で勢いはなくなる。ならば最初から捕縛目的で出力を下げると言う事か)
サレナ(敵は巨大ですが速度もあります。動きを止めたところでHOAでとどめをさします。アークの塊である刀身なら防御フィールドも意味をなさないはずです)
マリー(デッドじゃ当てられるけど威力がない・・・カイゼルだと当たらないけど威力はある・・・いいアイディア・・・)
カイゼル(よしっ、いくぞ!そっちはどうだ)
デッド(そっちの考えで動かされるというのは気に食わんがなマリーがうるさい。了解した)
カイゼル・デッド「作戦開始だ!」

デッド「正面からはダメだ!あいつの注意をそらせその間にしかける」
カイゼル「了解した!うまくやれよ」
デッド「そっちこそな」
マリー(・・・よろしく・・・)
サレナ「はい。頑張りましょうマリーさん」
カイゼル「だぁああああ!」
カイゼル機、剣を横薙ぎにしガルフに切りかかる。
ガルフ「威力は凄そうだがな。あたらなければ意味はないぞラウロッシュ」
カイゼル「ふん、余裕かましていられるのも今のうちだガルフ」
横薙ぎから切り返しナナメ上えの切り上げ。
ガルフ「無駄だ」なんなく避けるガルフ機
カイゼル「知るか」ナナメ上からの大上段切り落とし。
ガルフ「無駄だと言っている」バックステップで避けそのまま飛翔するガルフ機
カイゼル「知りません!」ぷいっ(サレナの真似をするカイゼル)
アークウイングによるブーストジャンプ。勢いに任せての切り上げ
サレナ「カイゼル様!まじめにやってください!」
カイゼル「すまん・・・だが効いたようだぞ」
ガルフ「くそっ、ラウロッシュの分際で!」
避けそこなったガルフ機は足の一部に切痕を作られた。
カイゼル「今だ!」
デッド「死ね・・・」
ガルフ機の後方に黒い影。ジャンプしたナハトリッタァが空中のガルフ機をとらえる。
ガルフ「なっ!?がぁ!」アークワイヤーにて動きを封じ込められるガルフ機。
カイゼル「終わりだな!ガルフ!」上段から切りつけるカイゼル機。
ガルフ「この!調子に乗るなぁ!」
バクン! ガルフ機の肩が上に開く。中には真っ赤な宝玉
ガルフ「ズィーベント・ギガンティアをなめるな!」
宝玉に幻糸が集中、収束して放射された幻糸がカイゼル機に襲い掛かる。
カイゼル「ぐぅうううう!」
何とか剣を盾にして防ぐも吹き飛ばされてしまう。
ガルフ「貴様もだ!」全身のハッチ展開。小型ミサイルがデッドを襲う。
デッド「くそっ。またか」ブーストを使って二段ジャンプ。後方に避ける。
ガルフ「ぐぅ、ひやひやさせる・・・」
百合菜「・・・幻糸レーザーによる過負荷が起こりました。クロイツフィールド消失します・・・」
ガルフ「なんだと!貴様がもたせろ!」
百合菜「・・・はい・・・あっ、がぁ・・・くぅ・・・」
クロイツシリーズの量産型であるズィーベント・ギガンティアは起動だけでもかなりの負荷が歌姫にかかる。
激しい戦闘により百合菜はもう限界だった。
ガルフ「役立たずが!リミッタ解除、クロイツフィールド強制起動!」
百合菜「ぅ、あああああああああああああああ!」
無茶な運用に百合菜に異常な負荷がかかる。しかしガルフはかまうことなく続けた。
ガルフ「うるさい!黙れ!歌姫など所詮使い捨てなのだ!」
百合菜「ぅ・・・ぅあ・・・ああ・・・」
マリー(ひどい・・・許せない・・・)
デッド(ああ、どこまで腐ってやがる)
カイゼル「狂ってる・・・確かにガルフは酷いヤツだったがあそこまで・・・」
サレナ「あの歌姫さんかわいそうです。カイゼル様、やめさせましょう」
カイゼル「ああ、もちろんだ!」
デッド「いくぞ!」
ガルフ「貴様ら!面倒なことをしてくれたなぁ!」
衝突する3機、激しい攻防戦が続く。

ザシュ!
カイゼルの剣がガルフ機の片足、腿から下を切り飛ばす。
カイゼル「防御フィールドが消えている・・・歌姫が・・・」
サレナ「気を失っただけならいいのですが・・・」
ガルフ「くそぉ!この役立たずがぁ!」
ガルフ機のコクピットハッチが開くとそこから百合菜が放り出された
マリー(デッド・・・助けてあげて!)
デッド「ちぃ、面倒なことを!」
地面に落下する百合菜をデッド機の手が受け止める。
百合菜「・・・・・・ぅ・・・・ぁ」
マリー(まだ生きてる・・・デッド、安全な所へ・・・)
デッド(しかしヤツを放っておくわけにも)ガルフ機へ視線
キャロル「やほー。キャロルの救急便だよぉ!」
飛翔歌術を自らにかけ飛行してくる。デッド機の手の上に降り立ち。
キャロル「この人の事はまかせてー。デッちん達はガル糞をやっつけちゃってよ!」
言うが早いが百合菜を抱えると飛行して戦闘領域を離脱する。
デッド「デッちん?」
マリー(・・・くすくすくす・・・)
カイゼル「まぁ、あいつの言う事は気にするな。疲れるだけだ・・・」
サレナ「そこまで言ってはかわいそうですよ・・・」
デッド「ふん、どうでもいい。それよりアイツを殺るチャンスだ。歌姫を欠いてあきらかに動きが鈍ってる」
カイゼル「そうだな。一気に決める!」
ガルフ「がぁああ!コントロールが!何故だ・・・歌姫なぞ起動補助に過ぎんはず!」
マリー(デッド・・・夜が来るわ・・・)
アーカイアに夜が訪れる・・・ナハトリッタァにとっての最大の武器が発動する時間。
マリー(・・・隠密システム起動・・・)

デッド「さぁ・・・狩りの時間だ・・・」

バシュ!
消えるナハトリッタァ。
ガルフ「消えた!?どこだ!どこだぁ!」やみくもに小型ミサイルを乱射
デッド「外道が・・・いいかげん死ね!」
ガルフ機の後ろに音もなく現れるデッド機。アークワイヤーを伸ばす。
ガルフ「無敵だ!俺は無敵なんだぁあああ!」
ガルフ機、肩の幻糸レーザーを展開しようとする。
デッド「遅い・・・遅いよ坊や」
ガルフ機の両手、両足に巻きつくアークワイヤー。勿論肩など展開できない。
ガルフ「くそぉくそぉくそぉおおおおお!」
デッド「カイゼルとかいったか。トドメはおまえに譲ってやる。さっさときめろ」
カイゼル「ああ、言われなくとも」
カイゼル「サレナ!」」
サレナ「殺すのですか・・・」
カイゼル「心配するな。殺しはしない。しかしあの奏甲は潰させてもらう。いくぞ!」
サレナ「はい!全リミッター解除!HoAオーバーブースト!いきます!」
カイゼル・サレナ「はぁあああああああああああああ!」
両肩のHoAが輝きを増す。シャルラッハロートIV本体からも紫色のオーラのようなものが出現する。
エンシェントソードを媒介とした巨大剣は更に大きさを増す。
デッド「巻き込まれてはかなわん。少し下がるぞ」
マリー(・・・うん・・・)
デッド機ワイヤーを伸ばしながら後方に下がる。
ガルフ「何故だラウロッシュ・・・貴様の歌姫だってとうに限界だろう・・・何故そんなものが使える」
カイゼル「ノーブレスオブリージュ・・・家に縛られ、人を人とも思わんおまえには分かるまい、この意味が!この力がなぁ!」
カイゼル機コックピットから少しだけずらし剣を振り下ろす。
ガルフ「嫌だ!負けるのは嫌だあああああ!」
デッド「何っ!?」
ガルフ機両手両足を切り離す。胴体だけの状態で空へ急速上昇。
ガスゥゥ!
地面をえぐる巨大剣
カイゼル「くっ。往生際の悪い・・・」
サレナ「・・・逃げられちゃいましたね・・・」
カイゼル「悔しそうじゃないな」
サレナ「・・・戦うのは得意じゃありません・・・」
カイゼル「ほっとけばまた来るぞ。あいつは・・・」
サレナ「でも・・・」
カイゼル「まぁいいさ。とりあえずみんな無事・・・じゃないか」
サレナ「はい。歌姫さんが・・・」
デッド機内コクピット
デッド「くそっ・・・逃がしたか・・・」
マリー(もういい・・・)
デッド(何がだ・・・)
マリー(あの人を追う必要はない・・・あれはあの人達の問題)
デッド(しかし・・・)
マリー(私はもう気にしてない・・・それよりもっといろんな所に行きたい・・・)
デッド(・・・わかった・・・そうしよう)

カイゼル「デッドとか言ったな。話がある、降りてきてもらえるか」
デッド「俺には話などない・・・アイツはおまえらにまかせるじゃあな」
マリー(待って・・・)
デッド(何だ・・・って、おい、勝手に開けるな!)
デッドを無視してハッチを開けるマリー。デッドもしぶしぶ奏甲から降りる。
カイゼル「俺たちも降りるぞ」
サレナ「はい」
カイゼル達もシャルIVから降りる。
カイゼル「まずは礼を言う・・・」
デッド「知るか・・・俺がやりたい事をやっただけだ」
サレナ「ありがとうございます」
マリーに向かって頭を下げる
マリー(あっ・・・)
サレナ「??」
デッド「こいつは喋れないんだ。すまんな」
サレナ「でも通信・・・」
デッド「奏甲に乗ってる時なら歌姫同士の通信みたいな事はできるだろうさ。そっちの方が得意なんだしな」
サレナ「そう・・・ですか、えっと、とにかくありがとうございました」
マリー(どういたしまして・・・伝えて・・デッド)
サレナ「あっ・・・微かだけど聞こえます・・・」
マリー(えっ・・・?)
カイゼル「奏甲とも話す電波娘だからな。それくらいできるのだろう」
デッド「ほう・・・」
サレナ「もうっ!カイゼル様!」
マリーにっこり微笑んで
マリー(嬉しい・・・喋れる人がいて・・・ありがとう)
サレナ「こちらこそ。また会えたらよろしくお願いしますね」
マリー(うん・・・あの人は悲しい人・・・救ってあげて・・・)
サレナ「はい、わかってます」
マリー(じゃあ・・・えっと・・・いい作戦だった・・・今度チェスしたい・・・)手を振るマリー
デッド「じゃあな。俺の敵にはなるなよ」
サレナ「チェス?・・・はい、また会えたらぜひ」
カイゼル「ふん。貴様こそな」
デッド達、ナハトリッタァに乗り込むと去って行った。
サレナ「そういえばマリーさん達、なんでガルフさんの事追ってたんでしょうね」
カイゼル「・・・そうだな。まぁ何かあったんだろうさ。今となってはわからんがな」
サレナ「そうですね・・・」

カイゼル達は倒れているブラオヴァッサァの近くまでシャルIVで移動するとネレイス達を見つけ奏甲から降りた。
カイゼル「ネレイス、ガルフの歌姫は大丈夫なのか」
ネレイス「はい、絶対安静ですけど」
キャロル「そうだね。おうちに帰ろう!」
カイゼル「ああ、一旦帰ろう。ブラオヴァッサァは引っ張っていくアンカーを出せネレイス」
ネレイス「すいません。迷惑かけてばかり」
カイゼル「メイドの面倒をみるのは主人として当然の務めだ。気にするな」
サレナ「ぶぅ・・・」
カイゼル「そこで膨れるなよおまえは・・・ほら行くぞ」
カイゼル達は奏甲バトル会場を後にし帰路についたのだった。

奏甲バトル司会「あの・・・施設ボロボロなんですけど・・・」
激戦!〜三つの黒〜完

はい、というわけで終わりました。長すぎますね、全SS中最長なのでは・・・ははは。
長い割にたいした事してるわけでもなく・・・うーん精進せねば。
クロイツ量産型などという設定はやり過ぎたかな・・・
どうっすか新見さん?無駄に長くしてしまいましたが・・・デッド活躍してましたよね・・・
次回予告は今回なしです。ではまたー

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