〜決断!それぞれの価値〜

ガルフとの激戦後、キャロルの家に無事帰って来たカイゼル達。
しかし、百合菜の容態は一向に回復せず。温泉喫茶キャロルの一室で看病の日々が続く。

ベッドの傍らにて
百合菜の看病をするサレナとネレイス
サレナ「顔色、良くならないですね」
ネレイス「はい」
サレナ「もう、ダメなんでしょうか・・・」
ネレイス「サレナさん」
真剣な顔でサレナと向き合うネレイス。
サレナ「えっと、なんでしょう・・・」
真剣な目線にうろたえるサレナ。ネレイスとの会話には最近ようやく慣れたのだが
元来人見知りであるサレナは目を合わせての会話がどうしても苦手だった。
ネレイス「ちょっと外へ」
サレナ「は、はい」
ネレイスに促され緊張気味に百合菜が寝ている部屋を出る
ネレイス「サレナさん。病人の前であのような事を言ってはいけません」
真剣な顔。めずらしくネレイスは怒っているようだ。
サレナ「・・・すいません・・・」
ネレイス「お世話している方が元気がないとき心配になるのはわかります」
サレナ「はい・・・」
ネレイス「不安は移ります。お世話する側が暗い気持ちでいるとそれは伝わってしまうのですよ」
サレナ「・・・・・・」
俯いて黙り込んでしまうサレナ
ネレイス「あっ!すいません。現世の時の癖でつい」
サレナ「いえ、悪いのは私です。・・・ちょっと頭冷やしてきますね」
サッと踵を返すと逃げるように立ち去るサレナ
ネレイス、しまったという面持ちでそれを見送り
ネレイス「ここではメイド長でも主任でもないのに・・・」
嘆息すると、百合菜の寝ている部屋に戻るのだった。

その頃ルスフォノクラスタ内整備場では
カイゼル「調整は終わったか」
ルスフォン「はい、ついさっき。でも負荷をかけ過ぎですよ」
カイゼル「すまんな、今回はいろいろわけありだったんでな」
ルスフォン「無茶しすぎですよ。機体以前にカイゼル様達が壊れてしまいます」
カイゼル「わかってるつもりだ」
突然、整備場の奥の控え室から
スタッフ達「布団〜〜〜〜!待っててくれたかぁい!いやっほ〜〜〜〜!」
カイゼル「・・・無茶はどっちだかな」
ルスフォン「ほほほほほほ、お恥ずかしい所を。」
ズシーンズシーン
工房の外から奏甲が歩く音が聞こえて来る。
カイゼルとルスフォンは外へと出た
ルスフォン「あら、お客様ですね。あのビリオーンブリッツは確か・・・」
カイゼル「ソードだな」
工房の前に奏甲を止めるとコクピットが開きソードが顔を出す。
ソード「カイゼルか、どうだ調子は」
カイゼル「まぁまぁだ。そっちこそどうだ。整備に来たようだが」
ソード「まぁな。特にどこが壊れたというわけではないが」
ルスフォン「メンテナンスですね。今扉を開けます。奏甲を中に入れてください」
スイッチを操作し工房の大扉を開ける。
奏甲を整備ハンガーに止めるとソードとネリーは降りてきた。
ルスフォンは書類を挟んだバインダーを持ってきて。ソード達へ近づき。
ルスフォン「納期はいつ頃がよろしいでしょうか」
またもや突然、整備場奥の控え室から
スタッフ達「あ゛〜〜〜!仕事がぎだ〜〜〜〜!」
ネリー「ひっ、怨霊!?」
ソード、肩をすくめ
ソード「特に急ぎというわけではない。そちらにまかせる」
ルスフォン「ほほほほほほ、ではなるべく早くにお渡しできるようにしますので」
引きつった笑いを浮かべ。奥の控え室向かうルスフォン
スタッフ達「あ゛〜〜〜〜!!勘弁じでぐだざ〜〜い゛!!」
カイゼル「あいつら大丈夫なのか・・・」
ネリー「なんだかかわいそう・・・」
ソード「仕事だからな。当たり前の事だ」

温泉喫茶キャロル。喫茶店側にて
キャロル「仕事仕事〜。ご注文どぞー」
客A「ああ、この今日のオススメってなんですかぁ」
キャロル「えと、蟲ゼリーです」
客A「へっ!?」
キャロル「ん?本物じゃないよ。ゼリーの中に蟲の形した林檎が入ってるの」
客A「・・・オムライスお願いします」
キャロル「はーい、本日のオススメ一つ入りマース」
厨房に向かって叫ぶキャロル
客A「聞いちゃいねぇ・・・」
カランコロン
入り口のドアに付いてる鈴が鳴る
キャロル「いらっしゃいませ〜」
カイゼル「よう、儲かってるか」
キャロル「あ〜、カイぱ〜ん」
カイゼル「いいかげんその呼び方やめんか」
キャロル「どして」
カイゼル「いや、いい」
ソード「・・・・・・」(無音笑)
ネリー「いつきてもにぎやかですね」
カイゼルに続いて入ってくるソード達
キャロル「あー、ソーとん」
ソード「ザナウはうまで俺はぶたか。どういう教育してるんだカイゼル」
カイゼル「すまん。もう俺がどうこうできるレベルじゃないみたいだ」
ネリー「とん・・・ぶた・・・くすくすくす」
ソード「そこ、笑いたければ遠慮せんでもいいんだぞ」
ネリー「えっ!いえっ!そんなことっ!」
キャロル「んでご注文は」
カイゼル「ん、適当に頼む。ソード達はどうする」
ソード「同じでいい」
キャロル「あいさー。本日のオススメ三つ追加ねー」
厨房に向かってまたも叫ぶキャロル。
カイゼル達から離れた座席で呟く者一人。
客A「犠牲者は増えるばかり・・・」

本日のオススメ(蟲ゼリー)に一通り悲観にくれた後ソード達とカイゼルは温泉側のロビーに来ていた。
ネレイス「あら、ソード様、ネリー様。お久しぶりです」
ソード「・・・・・・」
チャキッ!
ロビーのカウンターを挟んでハンドガンを構える両者。変わった挨拶のようだ。
ソード「相変わらずいい腕だ」
ネレイス「ふふふ、どういたしまして」
ネリー「はわっ、はわっ」
カイゼル「まぁ、気にするな」
ネリーの肩をポンと叩くカイゼル。
ソードとネレイス、ハンドガンをしまうと
ネレイス「今日はお泊りですか」
ソード「ああ、奏甲のメンテが終わるまで厄介になるつもりだ」
ネリー「よろしくお願いします」
ネレイス「こちらこそ、ではお部屋をご案内いたしますね」
どたどたどたどた
慌しく何者かが走って来る音
キャロル「ネレにゃん、大変!本日のオススメ見て倒れたお客さんが!」
ネレイス「あらあら、それは急がないと。でも・・・」
ソード達に目線を移すネレイス
カイゼル「こっちは俺が案内する。おまえは喫茶の方へさっさと行け」
ネレイス「カイゼル様。・・・はい、すいません」
キャロル「はやくはやく〜」
どたどたどたどた
すたすたすたすた
二人の足音が遠ざかっていく。
ソード「ほんとににぎやかだなここは」
カイゼル「すまんな落ち着かんだろ」
ソード「いや、たまには悪くない」
カイゼル「そうか、じゃあ、付いてきてくれ」

2階客室の扉が並ぶ廊下にて
カイゼル「風呂は一日中やってる。飯はネレイスに時間を言えばルームサービス。キャロルに言えば喫茶でディナーだ」
ソード「わかった。どっちがいいネリー」
ネリー「えっと。ルームサービスの方で」
ソード「だな、またあのゼリーを出されても困る」
ネリー「・・・そうですね」
何故か俯くネリー
カイゼル「そういうことではなくて二人っきりで食べたいという事なんじゃないのか」
ネリー「わわわ、そんなこと・・・」
真っ赤になるネリー
ソード「ないよな。喫茶みたいな人が多い場所より二人だけの方が何かあった時のリスクが少ないからだろ」
ネリー「え、えぇっっと・・・そうです。それです」
混乱していてとにかく相槌を打つネリー。
カイゼル「てことは何かあることを期待していると」
ぼっ!
真っ赤を通り越して真紅になるネリー
ネリー「ちちちち違います。きき期待なんてそんな」
ソード「カイゼル、ルームサービスは精の付くモノを頼む」
カイゼル「了解」
ネリー「ちーがーいーまーすー!」
カイゼル「ははは、ちょっとからかいすぎたか。すまんな。っとここだ」
ネリー「ぅぅぅ」
ソード「そう怖い目をするな」
そう言ってネリーの頭を撫でるソード。腑に落ちない顔をしながらもネリーのうなり声はやんだ。
ガチャ
ソード達が泊まる部屋のドアを開けるカイゼル。
サレナ「へっ!?」
ソード「眼福だなカイゼル」
カイゼル「すまんっ!」
バタン
勢いよくドアを閉める
サレナ「カイゼル様の馬鹿!しっ、知りません!!!」
部屋の中から抗議の声。
カイゼル「すまん間違えた」
ソード「そうか、新手のサービスかと思ったぞ」
ネリー「ソードさん!」
ソード「おっと、しっかりしてくれよカイゼル」
カイゼル「すまんこっちだった。今度は間違いないはず」
ガチャ
百合菜「すーすー」
ソード「寝ている所を襲うのは効果的だが。この場合はどうしたらいいと思う」
ネリー「ソードさっ!?もぐぅ・・・」
ネリーの口元を押さえるソード
ソード「病人が寝てる前で大声だすな」
カイゼル「よく具合が悪いとわかるな」
ソード「それくらいわかるさ。あの女からは覇気が感じられん」
カイゼル「まぁいろいろとわけありでなとにかく出よう」
パタン
静かにドアを閉める
ソード「カイゼル、真面目にやる気はあるか」
カイゼル「わかってる。接客はいつもネレイスにまかせてるんだ多少は我慢してくれ」
ソード「多少ね・・・」
カイゼル「くっ、悪かったよ」
ネリー「あっ、ソードさんの皮肉が始まった」
ソード「何か言ったか」
ネリー「いえ、なんでも・・・」
カイゼル「こんどこそ間違いない。ここだ」
ドアノブに手をかけるカイゼル
ソード「待て」
カイゼル「なんだ」
ソード「俺が開ける。また間違ってたらここの宿泊費はタダだ」
カイゼル「お、おう」
ガチャ
ドアを開けるソード
ネリー「普通のお部屋ですね」
ソード「ちっ・・・」
カイゼル「ふぅ・・・」
カイゼル「じゃあ俺はサレナのところに行ってくる。言い訳しとかんと後が怖いからな」
ネリー「大変ですね」
ソード「頑張れよ〜」
カイゼルを見送るとソード達は荷物の整理など宿泊の準備を始めた

サレナの部屋の前にて
コンコン
サレナ「誰です」
カイゼル「俺だ」
サレナ「っ!?帰ってください!」
カイゼル「さっきは悪かった。その・・・話し合おう」
サレナ「話すことなんてありません」
カイゼル「そこをなんとか。なっ」
サレナ「・・・知りません・・・」
そっけなく言いつつもドアを開けるサレナ
カイゼル「おまえの部屋に来るのも久しぶりだな」
サレナ「ええ」
カイゼル「おっ、あれこの前買ってやったネックレスだよな」
サレナ「・・・そうです」
カイゼル「なぁ、機嫌直してくれないか」
サレナ「知りません」
カイゼル「むぅ・・・」
話題がないかと視線をさまよわせるカイゼル。ふと百合菜の事を思い出し。
カイゼル「百合菜の調子、まだ悪いのか」
サレナ「悪いというか・・・意識が戻らないんです・・・」
カイゼル「そうか・・・ネレイスは何と言ってる」
サレナ「様子を見るしかないって・・・」
カイゼル「ふむ、どうしたものかな」
サレナ「話がないなら出てってください」
カイゼル「・・・ふぅ、わかったよ。じゃあな」
バタン
サレナの部屋から出て行くカイゼル
サレナ「・・・もう・・・ホントにいかなくてもいいじゃないですか・・・」

その日の夜。百合菜の部屋にて
サレナ「どうして、意識が戻らないの・・・」
百合菜「・・・・・・」
サレナ「はぁ、看病もこう反応がないと飽きてきますね・・・」
百合菜「・・・・・・んっ・・・」
目元を歪ませる百合菜
サレナ「あっ!?」
百合菜の目がゆっくり開く
サレナ「意識が戻った!だ、大丈夫ですか!」
百合菜「・・・ここは・・・」
サレナ「えっと、ここは私達がお世話になってる家というか喫茶店というか温泉旅館というか」
百合菜「・・・落ち着きなさい・・・」
サレナ「はっ、はい・・・」
百合菜「あなた、サレナね」
サレナ「えっ!」
唐突な質問。それもまったく予想外のものにうろたえるサレナ
百合菜「覚えてるわけないわよね・・・もう何年も前ですもの・・・」
サレナ「あのっ・・・」
静かな声でゆっくりと語りだす百合菜
百合菜「サレナ=ブルームーン。田舎の農家で育つ」
サレナ「えっと・・・」
百合菜「幼い頃から暗い雰囲気が原因でいじめられる」
サレナ「それは・・・」
百合菜「ある日、いきなり自然の声が聞こえるとか言い出してそれは更にエスカレート」
サレナ「何を・・・」
百合菜「かばう方も大変だったんだからね」
サレナ「あなたは・・・いったい・・・」
困惑の眼差しで百合菜を見つめるサレナ
百合菜「アルメリア=ブルームーン。あなたの姉よ」
サレナ「!!!!!」驚愕に目見開く
百合菜「特異な能力に目をつけた研究機関からあなたを逃がしたのも私」
サレナ「そんなの知らない!」
百合菜「無理もないわ・・・あなたは幼かったし自分の殻に閉じこもりがちだったから」
サレナ「何を言っているの。変な事言うのはやめてください!」
百合菜「幼い私達姉妹は顔も似てたから。私が死んだ事にして私がサレナになったの。そうやってあいつらを騙した」
サレナ「だから私はそんな事知らないし覚えてない!」
百合菜「幼い頃の記憶を自分で封印してしまっているのね。辛かったのでしょう」
百合菜はゆっくりとベッドから体を起こすと震えるサレナを抱きしめた
サレナの体をなつかしい感覚が包む
サレナ「・・・お・・姉ちゃん・・・」
百合菜「ゆっくりでいいわ。あなたを、あなた自身を思い出しなさい」
サレナ「ぅっ、うゎぁぁぁぁん!」
いきなり百合菜の胸に顔をうずめ泣きじゃくるサレナ
百合菜「もう、相変わらず泣き虫ね・・・」
百合菜はゆっくりとサレナの長髪をなでてやるのだった

その頃、喫茶ではどんちゃん騒ぎが始まっていた
ネリー「結局こうなるんです・・・」
ソード「いいぞカイゼル。動くなよ」
喫茶店のテーブルを端に寄せ特設ステージとなった壇上の上でカイゼルが張り付けにされている。
カイゼル「いぃやぁめぇろぉ!俺を殺す気かぁ!」
カイゼルの頭の上には林檎(蟲型)
ネレイス「ソード様は腕は確かです。動かなければ大丈夫ですよカイゼル様」
ソードの手には投げナイフ
キャロル「いけいけ〜!串刺しだぁ!」
カイゼル「余計な事言うなぁ!」
ソード「安心しろカイゼル。これでもナイフ投げには少々自信がある」
カイゼル「少々ってなんだ大々くらいなければこまるぞ!」
ソード「ほお、冗談を言う余裕があるなら大丈夫だな」
投げナイフを構えるソード
カイゼル「ぃぃやぁめぇろぉぉぉ!」
ソード「シッ!」
カイゼル(の頭上の蟲型林檎)に向かって飛ぶナイフ
ザシュ!
キャロル「いぃやぁああああ!!!!カイぱーーーーーん!死んじゃやだぁーーー!」
カイゼル「まぎらわしい事言うなーー!俺は生きてる!」
ネレイス「お見事です!ソード様」
拍手するネレイス
ソード「なんとか成功したか」
カイゼルの頭上では蟲型林檎が串刺しにされて後ろの壁に突き刺さっていた
カイゼル「今、なんとかとか言ったろ!失敗もありえたんだな!」
ソード「この世に絶対はないよカイゼル君」
カイゼル「くそ〜〜!早くほどけ〜〜!」
壇上でジタバタするカイゼル
ネレイス「はいはい。ただいま」
壇上に上がりカイゼルを拘束している縄をほどくネレイス
ソード「いやぁ、楽しませてもらったぞカイゼル」
カイゼル「知らん!」
キャロル「きゃははははははははは」
ネレイス「ふふふふふ」
ネリー「はぁ、ディナーだっていうのに雰囲気もなにもないじゃないですかぁ〜。こんなはずじゃあ」
カランコロン
喫茶入り口のドアにつけられた鈴が鳴る
キャロル「ただいまの時間は貸切だよ〜。また今度ご利用お願いしま〜す」
サレナ「えっと、じゃあまた今度」
ドアを開けて入って来たサレナは言われるままに帰ろうとする。
百合菜「それはちょっと違うのではないかしらサレナ」
渋い顔で呟く百合菜
キャロル「あ、サレなんだったの〜。ごめんね。ささどうぞどうぞ」
サレナ「お、お邪魔します・・・」
百合菜「・・・・・・」
キャロル「あ、目、覚めたんだね」
百合菜「・・・ええ・・・」
カイゼル「おお、やっと意識が戻ったのか!」
奥のテーブルから叫ぶカイゼル
ネレイス「ささ、お早くお入りください。外は寒いでしょう。お体に触ります」
百合菜に近づき招き入れるネレイス
百合菜「そう、じゃあお邪魔するわね」
ゆっくりと入り口から入ってくる百合菜
ソード「ほう起きたのか」
奥の方のテーブルで事を眺めるソード
ネリー「誰です」
ソード「覚えが悪いな。カイゼルが間違えた部屋で寝ていた女だろうが」
ネリー「ああ!そういえば」

サレナは皆の中心に百合菜と共に立つと緊張した面持ちで語りだした
サレナ「えっと、いきなりで信じられないと思いますが・・・」
カイゼル「どうした。いつも言ってるだろう言いたい事があるならはっきり言え」
サレナ「しっ、知りません!」ぷいっ
百合菜「静かに聞いてやってください。この子も緊張しているんです」
予想外の方向からのフォローに驚くカイゼル
カイゼル「あっ、ああ。すまない」
サレナ「えっと、この人・・・この人は・・・私の姉です!」
カイゼル「はっ・・・・?」
キャロル「ほー・・・」
ネレイス「へっ・・・?」
ソード「ほぉ・・・」
ネリー「えっ、えっ・・・?」
一同驚きの表情
百合菜「もう、喋り方が下手ね・・・。ご紹介の通り私はサレナの姉です。わけ合って今は百合菜と名乗っています」
カイゼル「姉・・・とはまた・・・」
サレナ「信じられませんか・・・あたりまえですよね」
カイゼル「いや、おまえの言う事だからな、信じてるぞ俺は。しかしあまりにも唐突だったのでな」
サレナ「カイゼル様・・・」
見詰め合う二人
ソード「ああ、始まるぞ『カイゼル・ザ・マイワールド』が」
ネリー「なんですかそれ」
ソード「見てればわかる。しかし直視はするな。目がつぶれる」
ネリー「そうなんですかぁ」
カイゼル「つぶれるとはなんだ、つぶれるとは」
ソード「本当の事を言ったまでだが」
カイゼル「くっ・・・」
ソード「顔が赤いぞカイゼル君」
カイゼル「ぬぅ・・・」
キャロル「何はともあれ騒げ騒げものども〜!今宵は無礼講じゃ〜〜〜!」
ネレイス「キャロル様・・・キャラがわからなくなってます・・・」
百合菜が加わってからも結局どんちゃん騒ぎは続いた。
百合菜「カイゼル様、サレナをこんなに明るくしていただいて」
カイゼル「いや、別に俺はなにも・・・」
ソード「おっ、姉にまで手をだすかカイゼル」
サレナ「姉さん!余計な事言わないで!」
キャロル「蟲ゼリー・・・なんで苦情ばっかりなんだろう」
ネレイス「キャロル様・・・いやそれはその・・・」
ネリー「こーなったら自棄酒よぉ・・・ひっく」
サレナの姉の対応に困るもの、顔を真っ赤にして俯くもの、ひたすらからかうのを楽しむもの、
久方振りに温泉喫茶キャロルは大賑わいだった。

町の外れ。路地裏にて
??A「ようやっと見つけたぞ」
??B「捕獲作戦に入ります」
??A「しくじるなよ。他はどうなってもかまわん。目的を遂行しろ」
??達「はっ!了解しました!」
??A「いけ!」
シュンシュンシュンシュン
深夜の町を怪しげな集団が飛び回る。
平和な夜は長く続きそうにはなかった。

つづく

はい、てわけで前編終了です。
もとからバレバレなサレナと百合菜の関係。少しは驚いてくれたでしょうか?w
も少しひねってもよいかと思ったのですがあまり複雑にするのもどうかと思いまして。
いやしかしソードさんが少し壊れ気味ですかね・・・。
次回はクール&ジェノサイド&デストロイな部分が出てきますからご心配なく?
しかし、完全脚本化とはいきませんでした。
ソードさん側からやってくれるのであれば好きな所を補完してください。
後日談や違う話でも一向に構いません。
次回も自分なりにメイっぱい頑張ります。
後編で終われるといいな・・・。

次回予告
キャロル「みなさんお待ちかね〜!」
ネレイス「次回は生身バトルらしいですねぇ」
キャロル「ソーとんが変形合体するらしいよ」
ソード「なわけないだろ・・・」
ネレイス「人間やろうと思えばなんでもできるんですね〜って話です」
ネリー「次回〜決断!それぞれの価値〜(後編予定)」
百合菜「ルリルラファイトォ!レディィ!ゴォォオオ!」
サレナ「・・・姉さん」

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