〜炸裂!幻糸の力〜(後編)

カイ「やるしか・・・ないのか・・・。」
ガクン、いきなり膝を着くカイゼルのシャルIV
カイ「なっ!どうした!」
キィイイイイイイイイイイィ
隙を見つけた新種はネレイスのブラオから離れカイゼル機に突進。
カイ「ぐぁあああああ!」
吹っ飛ぶカイゼル機
サレ「ぅぅ・・・ぅぅ・・・。」泣き続けるサレナ
カイ「くっ、そういうことか。いつまで泣いているつもりだサレナ!」
歌姫の戦意喪失によって出力が落ちていたのだ。
サレ「だって・・・ネレイスさんが・・・キャロちゃんが・・・。」
カイ「さっきも言っただろう!勝手にあいつらを殺すな!」
サレ「だって・・・だって・・・。」
カイ「・・・(また自分の殻に閉じこもるつもりか。どうする。俺はどうしたらいい。)・・・。」
カイゼル考えながらも機体を起こすも、上空から新種の溶解液攻撃
カイ「くそっ、そうそう同じ手に!」
カイゼル機バックステップをしなんとか避ける。
キィィイイイイイイイイ
新種の触手攻撃。
カイ「こんなもので!」
ザシュ、後退しながら必死に剣で迎撃。
カイ「・・・っく!このままでは!」
新種からの攻撃が一旦やみ、カイゼル機も剣を構えなおす。
キィイイ
いつもより小声で鳴いた新種は相手がつまらんとでもいうように反転するとネレイス機の方に移動を始めた。
カイ「ダメだ!待て!」
カイゼル、慌てて追いかけるも触手によって阻まれ吹っ飛ばされる。
廃屋に激突し沈黙するシャルIV
カイ「くそっ!くそっ!くそぉおおおおおお!動けぇええええ!」
反応をしなくなったシャルIVのコクピット内で暴れるカイゼル。内壁を叩き続けた拳からは血がにじんでいた。
サレ「ぅぅ・・・ぅぅ・・・。」泣き止まないサレナ。
バシン
サレ「・・・えっ?・・・。」
カイ「・・・甘ったれるなよ・・・」
カイゼルの突然の平手。サレナは何が起こったのかわからず放心状態。
サレ「あっ・・・ああ・・・(叩かれた頬に手を当てる)ぅぅ・・・ぅわああああん(更に激しく泣き始める)」
カイ「くっ、サレナ!頼む!泣き止んでくれ!力を貸してくれ!俺はネレイス達を見殺しにしたくない!」
サレ「でもっ・・・でも!」
カイ「サレナ!」
サレ「・・・っ!ぅぅ!」
また叩かれると思って身をすくませるサレナ。しかし、カイゼルは怯えるサレナを見て優しく抱きしめた。
サレ「あっ・・・。」
カイ「サレナ、あきらめるな。自分の殻に閉じこもるな。」
サレ「・・・カイゼル様・・・。」
カイ「おまえは俺のパートナーだ。自信を持て。強い意志を持て。自分がやれると思えば出来ない事などない!」
サレ「カイゼル様!」
泣き止むサレナ、二人しばらく抱きしめあう。

カイ「もう稼動時間が少ない。一気に行くぞ!」
サレ「はい!アークドライブ起動!リミッター解除!全開運転開始!」
カイ・サレ「決める!決めます!」
ネレイス機に触手を伸ばそうとしている新種に突進。
カイ・サレ「はぁああああああああ!」
突きの形に剣を固定し突撃。
ガキン!
カイ「なっ・・・。」
サレ「そんな・・・。」
刀身が半分近くになってしまった剣を驚愕の表情で見つめるカイゼルとサレナ
キィイイイイイイイイイイイイイイイイ!
再び邪魔された事に激しく怒った新種は全触手を打ち付けカイゼル機を吹き飛ばす。
カイ「無理・・・なのか・・・。」
サレ「ツインコクピット、シングルモードに切り替え。」
カイ「何をしているサレナ!」
サレ「アレを見てくださいカイゼル様。」
サレナ、モニター越しの新種の上の部分を指す。そこには前の攻撃で折れた剣の破片が突き刺さっていた。
サレ「あの蟲はきっと上からの攻撃に弱いはずです。」
カイ「自分が浮けるから上からの攻撃など想定していないということか。しかしなぜコクピットの切り替えをする。」
サレ「このままではネレイスさん達は本当にやられてしまいます。蟲が狙っているのは歌姫。私が外に出ておとりになります。」
カイ「そんな・・・無茶だ。」
サレ「カイゼル様は私が蟲をおびき寄せてる間に上空に飛び、急降下のエネルギーを利用して上から蟲に攻撃を。それなら折れた剣でもきっとなんとかなります。」
カイ「だから無茶だ。剣が折れた今、俺達にできることはない。」
サレ「私の心は折れてません!やれると思えば出来ない事などないんでしょう!カイゼル様!」
カイ「ははっ・・・ったく。泣いたり怒ったり忙しいヤツだ。わかった。やってみよう。」
サレナ、コクピットから出てシャルIVを見上げながら
サレ「私、信じてます・・・カイゼル様ならきっとできるって。」
カイ「ふっ、俺は自信を持てと言ったのだがな。まぁいい。作戦開始だ!」
サレ「はい!」
蟲の方へ駆け出すサレナ。カイゼルはシャルIVを上昇させ蟲の真上へ。
サレ「こっちです!歌姫はここにいます!」
キィイ
ちらっとサレナを見てすぐにネレイス達の方に触手を伸ばす。
サレ「なっ!なんですかその態度は!確かにキャロちゃんの方が若いし、ネレイスさんの方がキレイですけど・・・もうー!」
カイ「何をやってるんだアイツは・・・。」目もとを押さえ嘆息。
サレ「ほら、ほらぁ。いらっしゃいってば。もうっ!攻撃歌術!」
ガン!新種に攻撃歌術HIT
キィイイイイイイイイイイ!
歌術から漏れる上質な歌姫の存在に気付き新種反転。
カイ「よし!こちらも!」
サレ「「カイゼル様・・・まだです・・・まだ来てはダメ・・・。」」念話
カイ「サレナか?念話ができるようになったのか?」
サレ「「はい・・・カイゼル様をとても近くに感じます・・・。それより、攻撃はぎりぎりまで待って下さい。避けられたらもうチャンスはありません。」
カイ「しかし・・・。」
サレ「「信じてます・・・カイゼル様・・・」」
カイ「ふっ・・・そうだな、やってやるさ!」
近づいてくる新種
サレ「そうです!私はここにいます!来なさい変態!」
キィイイイイイイイイ 新種サレナの目の前に、触手を伸ばす。
カイゼル機、急降下を開始しようとする。
サレ「「まだです・・・。」」
カイ「くっ・・・。」
サレナに巻きつく触手。歓喜に震える新種。
サレ「「ぅぅ・・・今です!カイゼル様ぁああ!」」
カイ「はぁああああああああああああああ!!!!」
シャルIV急降下。折れた剣を構え、重力とアークウイングの出力にて爆発的に加速。
肩の赤い宝玉が輝き幻糸が剣先に集中。折れた剣先に集中し刀身を形成。
カイ「なっ!?・・・(自機の知らない機能驚愕するもスグに不適な笑みを浮かべ)・・・これで!終わりだああ!!!!]
ドグシャァァア!!
キィイイイイイイイイイイイイイイ!!
突き刺さる剣、新種の体上面中央から放射状に広がる亀裂。
カイ「やった・・・。」新種の背中でたたずむシャルIV

ブシュルゥ・・・キィイイイイイイイイイイイイイイ!!!
サレ「カイゼル様!危ない!」
カイ「おいおい、うそだろ。」
一瞬げんなりするもスグに気持ちを引き締める。アークにて強化された剣で腹から回り込んで向かってくる触手を切ろうとするが・・・。
ボロッ。アークの負荷により跡形もなく灰になる剣。シャルIVの足を貫く触手。
カイ「ちぃ、往生際の悪いヤツだ・・・。だけどな負けてはやれんのだよ!」
足を貫く触手をちぎるカイゼル機。そのままの勢いで新種の背中を殴り続ける。
サレ「離しなさい!」
サレナからみ付いた触手をほどくとカイゼルのもとへ、コクピットに乗り込み、システムをシングルからダブルへ変更。
カイ「剣がなくなろうと!」
サレ「私たちの絆は消えません!」
コォオオオオオオオ。カイゼル達の心に反応するかのように新種の背中の一部が光りだす。
カイ「何だ?・・・剣?」
光は新種の体内に埋まる剣のようなものから発せられている。剣の柄の部分だけが背中から顔を出している。
サレ「カイゼル様あれ!」
カイ「ああ!使わせて貰う!」走り出すカイゼル機、光る部分に到達すると剣を勢いよく引き抜く。
サレ「カイゼル様!」
カイ「はぁああああああああああああああ!」
剣を天高く振り上げるカイゼル機。
またしても肩の赤い宝玉が輝き剣に集中。剣の刀身を媒介として巨大な刀身を形成。
カイ・サレ「だぁああああああああああああああ!!!」
アークウイングにて急速上昇。真上から新種を一刀両断。
キィイイイイイイイイイ!
新種、断末魔をあげる。カイゼル達の勝利だ!

戦闘後
カイ「ネレイス!無事か!」
ブラオの装甲をひっぺがし無事か確認。そこには目をつぶったネレイス達がいた。
サレ「そんな・・・。」
二人の間を沈黙が包む。
ネレ「んん・・・。」
眉をしかめるネレイス。
キャ「あー、お菓子いっぱいー。」
お約束な寝言を言うキャロル。
カイ「ふっ、作戦成功だな・・・。」
サレ「はい、カイゼル様・・・。」
二人は微笑みあうと寄り添い眠りに落ちた。


いやぁー、なんとか終わりましたー。
途中二転三転させてる内に訳分からなくなったりしましたがなんとか納得のいくものが出来たかと。
ちょっとしつこかったかな・・・精進せねば。
ザナウさんのハルニッシュブルムが形見にならずにすんでよかったw
カイゼル達はエンシェントソードを手に入れました。自分的にアーカイアばん草薙の剣って感じです。
ナゾの機能と合わせて巨大剣になったのは単に私の趣味ですw

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