「電脳戦記 VirtuaRu/Li/Lu/Ra」 「角と赤」 登場人物紹介 キョウスケ・桜葉:ロボットとバナナとメイドを愛する1 7歳。 目つき・口調が悪いが悪人ではない。(と思う) ミルフィー・ジグラット:キョウスケの歌姫で明るく元気 な15歳。 顔つきのせいで見た目以上に幼く見える。 暇さえあれば弾き語る癖がある。 (詳細は「神奏騎士団」にて。以下NPC) アダックス店長・石井:28歳。 新規参入の自称整備工房「アダックス」の店長。 ムキムキのマッチョマンで、それ以外のことは一切不明。 英雄かどうかも怪しい。 ティセ・レオンハート:石井の歌姫・・・ではなく、彼女 も現世人で、「アダックス」の従業員。 16歳。 頭のドでかいリボンと背中の石の翼(!?)が特徴。人間 かどうかも疑わしい。 ー戦線より離脱。街に帰還する最中の奏甲のコックピット にて。 ミルフィー「・・・奏甲乗り換えましょう・・・」 キョウスケ「何故だ!?」 後部シートから身を乗りだし、唐突に言い出した。心底信 じられないような表情でキョウスケが言い返す。 ミルフィー「だってこの奏甲、ダメージの割にすっごく揺 れるんだもの・・・。」 キョウスケ「・・・俺は気にならんぞ。」 そっけない答えが不服なのか、なおも抗議を続ける。 ミルフィー「よくこんなのに乗って、そーゆー事いえるわ ね!揺れがひどいおかげで吐きそうになるわ、感じそうに なるわ、頭ぶつけそうになるわ・・・!」 息切れしそうなので、一呼吸おいて続ける。 ミルフィー「とにかく、こんな奏甲さっさと乗り換えなさ いよ!」 キョウスケ「・・・機動性の低さを腕で補ってるはずなん だがな〜・・・。」 しばらく物思いにふけるキョウスケ。 キョウスケ(そうだな〜・・・。このままリーゼでいこう と思ってたが、やっぱり乗り換えは基本だしな・・・!) 不気味な笑みを浮かべ、意を決した。その光景を目の当た りにしたミルフィーがなにやら必死に後ずさりしていたが 、そんな事はどうでもよかった。 キョウスケ「よし、ミルフィー!帰ったら即「アダックス 」で新しい奏甲探しにいくぞ!!!」 ミルフィー「・・・なんか釈然としないものがあるけど、 とりあえずありがと・・・。」 稼働時間ギリギリで街に着いた二人は、新規参入の工房「 アダックス」へと歩を進めた。 ー「アダックス」支店 キョウスケ「・・・というわけで、奏甲の乗り換えがした い。」 ティセ「なにが・・・というわけなんですか?」 石井「なるほどな・・・。よし、ついて来い!」 工房の奥にあるガレージへと歩いていく。 ティセ「わかるんですか!?」 ふと疑問に感じたティセが尋ねてくる。 石井「どうせ、こういう事になるのは前々からわかってた からな。アイツの考えそうなこった・・・。」 ティセ「は?」 石井「ロボットモノの「お約束」みたいなモンだからな・ ・・。」 ティセ「あぁ、なるほど・・・。」 キョウスケ「そーゆーこった。わかったか、ちみっこいの !」 ポン、とティセの肩を叩き、石井の後を追うキョウスケ。 ティセ「だーれがちみっこいのですか、だれが!?」 ミルフィー「・・・いや、あんなのほっといて早くいきま しょうよ。」 ー「アダックス」大型ガレージ。両端に約40機もの奏甲 が陳列されている。 キョウスケ「リーゼはもういいや。」 リーゼ・リミットを一瞥し、次の奏甲へと足を運ぶ。 ミルフィー「でも・・・、なんでこんなにたくさん奏甲が あるの?」 石井「気にするな。」 ミルフィー「いや、でも・・・。」 石井「気にするなっ!!!」 語気を荒げるなり、左腕を掲げ、筋肉が一気に盛り上がる 。 ミルフィー「・・・はい。」 突如訪れた嘔吐感に思わず口をふさぎ、小さく頷く。 キョウスケ「なんかねーかなー・・・、こう、燃えるよう な!そう、優秀な、例えば俺みたいな戦局を一気にひっく り返すほどの力量を誇る希代のエースが乗るに相応しいサ イコーにイカスやつ!そんなのがいーなー・・・、お?」 訳のわからない独り言をガレージの奥の方に差し掛かり、 そこに陳列されたビリオーン・ブリッツの所で足が止まる 。 石井「こいつぁ、またドえらい代物に目付けたな・・・。 」 ようやく石井達が到着した。 キョウスケ「コイツに決めた!」 ティセ「え?でもまだ半数回ったばかり・・・。」 キョウスケ「ちみっこいのはだーっとれ!店長、コイツに 乗り換えることにしたぜ。」 石井「リーゼより扱いに難があるが、いいんだな?」 キョウスケ「おうよ!俺を誰だと思ってる?」 その問いに、ミルフィーとティセが一斉に答えた。 ミルフィー「ちょっと英雄っぽいチンピラ」 ティセ「口の聞き方も知らない野蛮人」 キョウスケ「てめーら、俺に恨みでもあるのか!?・・・ ていうか、店長!」 二人に食いかかろうとしたが、何かを思いだし、石井の方 に向きやる。 石井「何だ?」 キョウスケ「角と赤!」 ミルフィー・ティセ「はぁ!?」 二人の呆れ声に構う事なく、石井に近づく。 石井「なんのつもりだ?」 キョウスケ「角と赤だ!!!」 石井「あぁ、装飾のことか。派手な注文だな・・・。」 ティセ「派手・・・ですか?」 無視。 キョウスケ「せっかく乗り換えるんだからな。いろいろカ スタマイズしといた方が後のためになるしな!」 ミルフィー「後々って何よ、後々って!?」 これも無視。 石井「ほう・・・。で、装備は?」 キョウスケ「リーゼのからひっぺがしてくれ。」 石井「もっとすごいのがあるんだが・・・、まぁいいか。 翌朝までには調整しておくから、それまで宿でゆっくりし ておけ。」 キョウスケは工房を後にし、ブリッツの完成予想図を思い 浮かべながら宿へと向かった。 キョウスケ「ふっふっふっ・・・、これからが本番だ!主 役は『乗り換えてからが本領発揮』だからな〜w」 その異常なまでの笑みに、ミルフィーは10mほど距離を 離し、その様をただ半眼で見つめていた。 キョウスケ「・・・なにやってんだ?」 ミルフィー「誰のせいでこんな事しなきゃならなかったと 思ってるの!」 あとがき、というか言い訳タイム? えー、初のSSです。が、他のみなさんと比べると・・・「 なんだこれは!?」みたいな出来でして。 しかし、やってみると結構楽しいものですなw 次回は、戦闘らしい戦闘編を載せたいと思います。 でわ! |