「電脳戦記 VirtuaRu/Li/Lu/Ra」 「温泉宿の惨劇(前編)」 ー(自称)整備工房「アダックス」事務室 宿の主人「・・・と、いうわけで、私の経営する温泉宿を 助けてください!」 石井「うむ。ちょっとアレな内容だが、引き受けよう。」 ティセ「・・・って、またわかるんですか!?」 即座に石井に問いかけるが、当たり前、のような口調で答 えた。 石井「まぁ、SSだからな。」 ティセ「は、はぁ・・・?」 意味がわからないのか、首を傾げる。 宿の主人「あの〜、よろしければ、また最初からご説明い たしますが?」 ティセ「あ、は、はい。お願いします。」 1拍おいてから、宿の主人は再び説明を始めた。 宿の主人「実は・・・、私の経営する温泉宿「メイデンズ ・アーク」の女湯に最近、覗きの被害が多発しているので す・・・。」 ティセ「覗きぃ!?」 がば、と立ち上がり、驚愕の声を発する。 宿の主人「理由はわかりません。いえ、わかりたくない、 というのが本心です。」 石井「客にはなにかされなかったのか?」 宿の主人「いえ、ただ覗いているだけで、特になにも・・ ・。」 石井「なるほど・・・。覗きに独自のプライドを持ってい る、ということか。」 ティセ「店長!」 即座に石井の方に向きやる。 石井「・・すまん。」 ティセ「プライドがあろうとなかろうと、そんなヤツら! ぜっっったい許せないです!!!」 両手に握り拳を作り、目には怒りの炎が燃え盛っていた。 石井「・・いつになくハイテンションだな、おい・・・? 」 さすがの石井も、ティセから遠ざかる。 宿の主人「このままでは、宿の悪評は続くばかり・・・。 お願いします!私の、私の宿をあの覗き魔集団から救って ください!!!」 石井「アンタもアンタである意味マイペースだな・・・、 まあいい。」 宿の主人「では、引き受けてくれるのですね!」 両手を、目を輝かせながら石井の方に詰めよる。 石井「いや、冒頭からそういってるハズなんだが・・・」 がし、と石井の手を握る。 宿の主人「あぁ、ありがとうございます!なんと言ったら いいのか・・・。」 石井「やっと話が進んだか・・・。では、早速今夜から対 策に取り掛かりましょうか?」 なぜがティセの方を向きやる。 ティセ「・・・?」 ー温泉宿「メイデンズ・アーク」女湯にて ティセ「こーゆーことですか、対策って?」 湯船につかりながら、石井に尋ねる。 石井「今夜はただの様子見だ。あまり気にするな。」 宿の主人と一緒に更衣室ごしに話しかける。 実は、覗き魔集団迎撃のために女湯は貸し切り状態になっ ていた。 ティセ「いや、でも、なんで私がオトリなんですかぁ!? 」 石井「水着着用してるんだろう?問題ない!」 宿の主人「あの〜・・・、これで大丈夫でしょうか?」 石井「問題ない!元々、アイツが言い出した事だしな。」 ティセ「言ってません言ってません。」 と・・・、 ???「おじゃましまーす!!!」 女湯の上空から複数の人影が落下してきた。激しい水しぶ きが舞い上がった。 ティセ「な、なんですかぁ!?」 突然の事態に、思わず湯船の端まで遠のく。 石井「・・・あれか?」 宿の主人「え、えぇ、まぁおそらく・・・。」 徐々に湯煙がはれ、覗き魔の姿が見えた。 3人組で、なぜか仮面とふんどし一丁。 覗き魔1「おろ?様子が変だな・・・?」 覗き魔2「確かに・・・。休業日とちゃうのか?」 覗き魔3「あ!あそこに一人おるぞなもし!」 ティセ「ひっ!?」 あまりの容姿と態度に、短く悲鳴をあげる。 宿の主人「あぁ、なんという事でしょう!?店長さん、早 速・・・店長さん?店長さん、どこですかぁ?」 なんの突拍子もなく姿を消した石井を必死で探すが、どこ にも見あたらなかった。 覗き魔1「・・・いや、俺ロ○コンじゃないし・・・。」 覗き魔2「俺もだ・・・」 覗き魔3「帰るか?」 とぼとぼと、帰っていこうとする3人組の覗き魔だったが ・・・。 石井「まてまてまてまてまてーーーい!!!」 覗き魔達「!?」 あたりを見回すが、周りには石井の姿はなかった。いや・ ・・。 石井「俺は、ここだぁーーーーー!!!」 女湯からみて向かいの、宿の2階の屋根の上に、腕組みを しながら仁王立ちしていた。 そこから、女湯にむかって3回転しながら飛び降りた。 石井「マッスルジャスティス一番星!」 ビシッ!と覗き魔集団を指さし、高らかに宣言。 石井「マイ・ネーム・イズ・石井!!!」 ティセ「なんなんですか一体ーーー!」 と、ティセの一喝により、一瞬その場の時間が止まる。 宿の主人「あの〜、店長さん。いつの間に?」 いてもたってもいられず、かどうかはわからないが、宿の 主人が石井の方に駆け寄る。 覗き魔1「あの〜・・・?」 覗き魔2「ワシら、帰っていいですか?」 覗き魔3「あ、バカ!?」 石井「そうだったぁーーーーー!!!」 ティセ「そうでした!?」 覗き魔の会話により、その場の時間が戻った。 石井は両手にトンファーを構え、覗き魔1を殴り飛ばす。 覗き魔1「あぼ〜〜〜ん!?」 石井「うむ・・・、もう少し飛距離が伸びると思ったんだ がな〜・・・。」 覗き魔1が吹き飛ばされた方を眺めながら首をひねる。 覗き魔2「や、やばいぞコイツら!?」 覗き魔3「逃げるぞ!」 慌てて逃げだそうとする二人だが・・・。 ティセ「よくも人を○リだなんて言ってくれましたね!」 湯船から、10代の少女が持つには似つかわしくない大口 径のガトリングガンを取り出した。 覗き魔達「ひぃ!?」 ティセ「ふふふ・・・、覚悟はいいですかw」 覗き魔達に銃口を向け、ガトリングガンを乱射した。 覗き魔2「あだ、あだだだだ!?」 覗き魔3「死ぬ!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!」 石井「安心しろ。SSだから、人死はないぞ。たぶん。」 無責任な台詞と共に放った石井のトンファーにより、残り の覗き魔達はほどなく吹き飛ばされた。 宿の主人「あ、あぁ・・・。これで、この宿にも平和が戻 って来るのですね・・・!」 石井「いや、まだだ・・・。」 ティセ「え?でも、覗き魔達はもう・・・。」 石井「あんなやり方で覗きに来たんだ。今回はただの様子 見にしかならんな。」 ティセ「・・・また、来るんですか!?」 石井「安心しろ。こんな時のために、すでに作戦は立てて ある。」 宿の主人「作戦・・・ですか?」 石井「あぁ、明日までには準備が終わるはずだ。それと・ ・・ええと。」 宿の主人「ネリーです。」 石井「ネリーさん。一ついいですか?」 なにかを思い付いたのか、宿の主人、もといネリーの方に 向きやる。 ネリー「なんでしょうか?」 石井「この宿の無料招待券かなんかはないか?」 ネリー「え、えぇ・・・。2泊3日のでしたら・・・。」 ティセ「何に使うつもりですか?」 ティセの問いに、笑って答えてみせる。 石井「明日になればわかる!」 (続く) 〜あとがき〜 話の時間軸上では、第2話とほとんど同じです。 覗き魔ネタ、実は元ネタとあまり変わりがないのですが、 一体何人ぐらいが気づいて・・・。 いや、ドゥングルロートみたいにすでにバレてるという可 能性が・・・!? さて、次回は後編!ルリルラ初のクロスに挑戦します!! ! |