電脳戦記 VirtuaRu/Li/Lu/Ra 「One-Man-Destructer」エピソード1 それは、「アダックス」宛に送られてきたある1通の手紙 から始まった。 「シュピルドーゼ・トロンメル間の国境付近に奇妙な遺跡 を発見した。ついては、その調査の協力を依頼したい。」 ルルカ「あの〜、その話、確かなんですか?」 信じられない、という口調でキョウスケに問う。 キョウスケ「完全に信用したわけじゃないから、おっさん に増援の手配をさせてるんだろが」 続いて、メデスが言ってくる。 メデス「分のわるい賭けが好きだんだな!」 キョウスケ「いんや。んなワケ・・・、っていうかソッチ か!?」 レン「私、運がいいんです。とか?」 キョウスケ「名前で勝手に決めるなーーーーー!!!」 あの手紙を受け取ってから1週間、天凪優夜、メデス・シ ュバルツの両名に協力を要請し、出発し始めてから5日が 経過した。 3人は、国境付近にあると記されていた遺跡に向かってい た。 そこに向かうこと事自体は簡単だった。 ただひたすら手紙に同封された地図の通りに進むだけ。 途中、虫と遭遇することもあるが、約1名を除いてはさほ ど労せずに倒せるので進行の妨げにはならなかった。 優夜「そしてその約1名がぁ〜、この俺・・・」 えらく音程の外れた優夜の歌を、ルルカが一喝した。 ルルカ「なにを自覚しているんですか!それに、歌にしな くてもいいじゃありませんか・・・。」 メデス「ってか、なんの事だ。約1名って!?」 優夜達のやりとりを聞くなり、ミルフィーがギターを構え る。 ミルフィー「・・・なら、こっちも!」 キョウスケ「張り合うなぁーーーーー!」 レン(バカばっかりなメンツですね・・・) そんなやりとりが毎日のように続き、出発してから8日。 一行は、ようやく目的の遺跡に到達した。 メデス「・・・来たはいいけど、依頼主どこだ?」 キョウスケ「そーいやそーだな・・・」 ミルフィー「じゃあみんなで探しましょー」 一行は、依頼主を探すべく遺跡を捜索していった。 が、遺跡の広さは以外に広く、その中から人を探すのは至 難の業である。それはまるで、奏甲サイズの人間に合わせ て建造されたかのようにも思えてくる程だ。 優夜「それじゃあしかたがない、とっとと帰ると・・・」 ルルカ「なにが帰るですかぁーーー!」 バシィィィン! 静寂な遺跡にルルカのハリセンの音が響いた。 と、同時に遺跡が激しく揺れた。 優夜「ルルカ・・・。いつの間にこんな力を!?」 ルルカ「違います!」 さらに振動は続いた。 メデス「!?・・・ちょっと様子見てくる」 メデスは、ビリオーン・ブリッツ「ナイト・オブ・フェア リー」を飛翔させ、上空から振動の原因を探る事にした。 辺りを見回してみると、遺跡の建物の数件が崩壊しており 、各所にはいくつかクレーターが出来ていた。 メデス(クレーター?・・・まさか!) その時だ。 優夜「のわぁぁぁ!」 ルルカ「きゃぁぁぁぁぁ!」 突如、優夜の眼前にナハトリッタァが出現した。 さらに左側面から2機、キョウスケの真後ろにも1機現れ た。 ミルフィー「え、な、なに!?」 キョウスケ「あ〜、もう!なんでこうお約束なんだ・・・ 」 と、真後ろにいるナハトが剣を構え突撃してきた。 キョウスケはそれを肩越しに見やると、ナハトが肉迫して きたと同時に右足を軸にソードランチャーで横薙ぎにした 。 キョウスケ「っしゃーーー!」 続いて左側面の2機が優夜に向かってきた。 優夜「来るか・・・、なら!」 メデス「お?」 2機を同時に相手にするのか?と言おうした時だ。 優夜「俺の逃げ足についてこれると本気で思ってるのかぁ ーーー!」 ルルカ「結局こうなるんですかぁーーーーー!」 優夜のシャルIIIは、規則正しく回れ右をした後、全速力 で走り去った。 が、相手がナハトでは分がわるかったのか、しばらくした 後、キョウスケ達の元に戻ってきた。 優夜「ふっ・・・、できるな!」 一同「できるな、じゃなーーーーーい!!!」 一同の叫びは無視し、2機のナハトがそれぞれキョウスケ ・優夜に向かってきた。 優夜「だぁぁぁぁぁ!?こ、こんな所でおわってたまるか ーーー!」 優夜は機体を右に跳躍させ、ナハトの一撃をかわし、着地 と同時にマシンガンで撃った。 ナハトも2〜3発食らうもこれを避け、優夜の背後をとっ た。 ルルカ「優夜さん!?」 優夜「あぁ・・・小雪。にーやは先に逝てっくる・・・」 ルルカ「最期の最期でそんな不吉な・・・、ってなにを言 ってるんですか!」 優夜がなにやら妙な覚悟を決めた時、ナハトの頭上にバス タードソードが突き刺さり、その場に倒れこんだ。 メデス「遅くなったーーー!」 と、ナハトが倒れこんだと同時にナイトオブフェアリーが 降りてきた。頭部に突き刺さっていたバスタードソード引 き抜き、一同は残り1機となったナハトに向きやった。 キョウスケ「さぁ、こんな事してただで済むと思うなよ! 」 ミルフィー「私の歌手生命を奪おうとした罪、万死に値す るわよ!」 優夜「ふふふ・・・、正義が勝つのは当たり前なのだよ・ ・・」 ルルカ「優夜さんはなにもしていないでしょうが!?」 メデス「遅れてきた分、ここで活躍してやる!」 レン「さて、ガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK ですか?」 一同が放つ凄まじい殺気に、ナハトは思わず引いた。 と、その時。 どこからか、かなりエコーの入った男の声が響きわたって きた。 ???「フム・・・、なかなかの腕だ。ビャクライの犬共 ではないのが気にかかるが、まあいい・・・」 続く 〜あとがき〜 はい、とうとう始まりました。無謀企画! 「絶対奏甲同士の大規模戦闘」をテーマに掲げている割に はやや数が足りないですが、これからが本番! っていうか、なんでこのメンツを選んだんだ? どうもうちはシリアスを書こうと思うと、なぜかギャグ入 ったりなんだりして、気がついたら「なんじゃこりゃ!? 」な話になってしまう・・・。 |