=預言書=
“英雄大戦”終末の時。そして新たなる…



 見よ、黄金の歌姫の織られた歌と白銀の姫の織られた歌が、凌ぎを削る。
 されど互いに効が打ち消しあい、幻糸に変わりは無いだろう。


 黄金の歌姫は御身疲れ果て、死に近き眠りに着くだろう。
 白銀の歌姫は自らの歌の影に襲われ、休み眠るだろう。
 黄金の雷電は疲れ果てた御身を守り、白銀の鋭剣は影に襲われた身を守るだろう。
 されど二方の眠りいつぞ破られるとも、如何なる賢者たりとて知り得ぬ。


 評議する者は皆黙り、大地は彼の者等に評されず、豊かな富を築くだろう。
 されど評議する者等が選びし5人によって、未来を託される者等が生まれるだろう。


 奇声の蟲は彼の世より来る。
 召じられし者等もまた、蟲とならん。
 されど賢者の叡智によりて、そのおぞましき変貌は、食い止め癒されるだろう。


 召されし者等、各々が想いにて幻世を生くる。
 蟲を狩る狩人、捜し求めし探求者、そして富を築かんとする農者。
 全て彼の者等が選びし、一つの道なり。
 されどその傍らには、必ず宿縁によりて結ばれし乙女の姿あり。


 国々は争いの火を見えぬ明るさで、感じぬ冷たさで、懐に保つだろう。
 されども争いの愚かさ知り、覚えし女王は皆、争わんとはせず。
 混戦に生じし軍勢は、静かに時の声を待つ。
 新たなる戦いの時の声を。


 人は忘れる。
 そして愚かなり。
 争いの哀しさを知りて尚、また争わんとす。
 召されし者等、宿縁の乙女とあり。
 各々が想いに従いて、戦うも戦わぬもあり。