想像力の墓場

ここでは無節操に増え続けるネタ的な奏甲・武装を紹介していきます。使用に関しては、センジン リュウトに一言声をかけてさえ頂ければ、ほぼ無条件で許可いたします。
不定期更新、不定期連載、ついでに不真面目ですが、ギャグの一種として受け取ってください。



●奏甲ネタ


◇ロイタァン・カタリュザートァ(純化する触媒/Lautern Katalysator)【元ネタ無し?/使用済】
 200年前の絶対奏甲の一。
 女性──それも特にアーカイア人による運用を視野に入れて設計されており(!)女性英雄が乗れば華色級のスペックを出す事ができると言われる。男性が乗ると何故か性能が本来の半分しか引き出せないと言う奏甲為らざる性質もあり、一般には全く知られていない機体である。
 開発者の開発記録(!!)によれば『真に安全なるアーカイア世界を我等がアーカイア民の手のみで切り開くための触媒たれ』とあり、そもそもの運用視野は女性英雄ではなくアーカイア人同士での運用だった事がうかがわれる。
 200年前にそんな奏甲技術があるのか、とツッコミを入れられればかなり返答には困窮するが、事実存在する以上は仕方が無いだろう(開き直り)。しかも歌姫単体での運用も可能だと言うから絶句するしかない。
 濃紺の装甲で全身が覆われている他は見た目に限りリーゼ・ミルヒヴァイスにどことなく似ているが、内部構造としてはキューレヘルトやローザリッタァに近似していると言われる。炉は古代幻糸炉であるにも関わらず出力が低め(それでも現行型の炉に比べれば高出力な部類に入る)だが、まあ仕方ないだろう。
 一対一から一対多数までありとあらゆる戦闘に対応できる広い汎用性と操縦性が特徴で、古代式であるため本来ならば現世武器との相性が悪いはずにも関わらず現行機と遜色無く扱えると言う特異性をも見せている。フレーム構造も古代式よりも現行式に近く、フレームに根差さねば設置できない兵器(例えばアームガンなど)も装備できる。
 初期武装はデスサイス(俗に『死神の鎌』と呼ばれる武器)一振のみだが、武装面でのカスタマイズは変幻自在である。


◇タツェッテリッタァ(Tazette Ritter/水仙の騎士)【元ネタなし/SS使用予定無し】
 赤銅の工房第7研究分署が開発した、完全に新規設計された飛行型可変奏甲。
 絶対奏甲の常識を打ち破るべくして“鬼才”ラクス・ラオネン最上級奏甲技師が設計したらしいが、家名の通りにLaunen(気まぐれ)な性格であったために設計段階からの建造上の難所が幾つか存在する。
 そのため特注であれば生産は行われるが、生産性の低さから大量生産は行われていない。が、特注するだけの価値のある奏甲である。
 極力無駄な装甲板を排除し、一般機ではパイプ状の露出部分となっている共鳴管と呼ばれる部品をフレキシブルシャフト(可動軸)にして装甲板へ埋め込む事で外露面積を減らしたため、空力を考慮した装甲板のフォルムとあいまって従来の絶対奏甲とは一線を画す外観となっている。
 共鳴管の外露面積を減らした事による放熱効率の低下は、装甲板に彫り込まれた細緻な歌術紋様状の溝を歌術によって循環している流体金属(恐らく水銀だろう)が拾い上げ、空中へと効率よく放出する手助けをしているために従来型と遜色無い。
 また循環溝でもある細緻な歌術紋様は、機体の歌術性能を引き上げると言う副次的な効果も引き出す事があるが、非常にむらっ気が多いためアテにはできない。
 飛行翼として設計されたアークウィングも従来型と異なりある程度可動する一枚翼で、その一枚翼から大きな一つの幻糸流を発生させる事により、従来型のアークウィングと同等の揚力を得ている。だが推力の大部分は、ジェットエンジンに酷似する形状と構造の可動幻糸推力ユニットより発生している。
 変形機構は今回新たに召喚された現世人の一部の意見を取り入れ、ウォラートゥス(飛行)形態とペルソナ(奏甲)形態を行き来するだけである。設計者ラクス自身としては高速で飛行できる奏甲としてのケレリタース(高速)形態も取り込みたかったらしいが、そこまですると設計に難が生じ過ぎて可変機構を排除しなくてはならなくなるために止む無く断念した。
 ウォーラトゥス形態では、一枚翼と幻糸推力ユニットがあるためにジェット戦闘機のようなシルエットとなる。可動幻糸推力ユニットはこの形状では固定されるため、本当にジェットエンジンのような使い方をせざるをえない。
 ウォーラトゥス・ペルソナ両形態で使用できる武器は88mm口径キャノン一門のみだが、同じハードポイントを要する武器であれば換装可能である。ペルソナ形態ではそれ以外にも、コンバットナイフ×2、ガトリングガン×1、金剛糸×1、が初期装備となっている。


◇ディアマントリッタァ(Diamant Ritter/金剛石の騎士)【元ネタ無し/SS使用予定無し】
 “鬼才”ラクス・ラオネン最上級奏甲技師が、タシュッテリッタァ設計の合間に設計したもう一機の絶対奏甲。攻撃、防御、挙動、速度、どれを取っても一級品である。
 こちらはどこまでも生産性を重視した事がうかがわれ、大部分の部品がシャルラッハロート・シリーズと共有。しかし幻糸炉周辺と奏座周辺の設計が変更されており、特に思念伝達機構と<ケーブル>機構そしてエネルギーバイパスが大きく変更されている。
 思念伝達機構についてはほぼ完全に新規設計が成されたと言っても過言ではなく、このシステムがディアマントたる所以を作り上げているも同然だ。なんと0.1セコンドもの機体反応速度上昇と細密挙動可がこのシステムだけで実現されている。
 攻撃面では胸部装甲板内に砲身を切り詰めたアームガンを仕込んであり、狂暴的なまでの銃火機依存をしているものの、接近戦からの不意打ち同然の発砲はクロイツ・シリーズでもなければ回避不能とラクスは断言している。
 防御面では非常に薄い装甲板を何重にも重ねる多積層装甲構造にする事で、考え得る限りのダメージに対する耐久力をケーファの1.09倍(工房調査値)にした。フレキシブルシャフト型共鳴管を使用したため、最上層に細密歌術紋様層を設けた事で歌術性能もシャルラッハロートドライの1.1倍(工房調査値)になっている。
 挙動については思念伝達速度の向上に随い機体それそのものの速度も上昇すると言う傾向が最初からあったため、当然の事である。
 速度については幻糸炉周辺でのエネルギーロスを極力抑える事で全体的な出力上昇が見られており、また<ケーブル>機構の変更とフレキシブルシャフト型共鳴管を使用した事による相乗効果もあって、足回りまでのエネルギーロスが異様に少なくなったための産物である。
 武装は胸部装甲板にアームガン×2が仕込まれている他は、シャルラッハロート・シリーズとほぼ共有。初期外部武装として、ロングソード×1、小盾×1、サブマシンガン×1、を携行している。


◇スマラクト・ヘルゼーエン(Smaragd Hellsehen/エメラルドの千里眼)【元ネタ無し/SS使用予定無し】
 “鬼才”ラクス・ラオネン最上級奏甲技師の最高傑作。通常戦能力と電子戦能力こそ多少劣るものの索敵・情報収集については肩を並べる物こそあれ右に出る物は無い、とラクスは豪語している。
 索敵専用の絶対奏甲。敵陣に殴り込んで必要な情報を探り帰還するだけの性能も保有しているため、強行偵察飛行型奏甲とも言われる。
 当然と言っていいほどフレキシブルシャフト構造共鳴管と細緻歌術紋様流動液体金属放熱機構を有しており、歌術性能もそこそこである。
 総合索敵センサー『ストリクスオクルス(Strix Oculus/梟の目)』を搭載しており、レーダー、ソナー、幻糸乱察知、サーモセンサー、画像解析、その他考え得る限りの歌術的・現世技術的な索敵を行える。またセンサー類は全て頭部に集中しており、飾角の内部にはアクティヴセンサー類が詰め込まれている。
 『ストリクスオクルス』の索敵半径はおおよそ20km及び、敵味方を識別する事は当たり前の事、データバンクから引き出される情報を元に機種を特定する事も可能である。
 しかしこれだけの高性能かつ多彩な機能を人間だけで行使するのは非常に困難なため、通常は補助としてAI『ヴァイスハイト(Weisheit/叡智)』がタスクに常駐する。
 固定武装は120mm連装幻糸砲。わざと脚部を固定せずに、コマのように回転しながら長時間照射を行うのが十八番。それ以外にも多彩な武器を使いこなすが、どちらかと言えば現世兵器の方が得意である。
 また従来型のアークウィングを持っており、これによって高速かつ高機動で敵陣の上空を通過飛行できる。
 ちなみに『ヴァイスハイト』は女性型。お喋りで、高慢、鼻持ちならない所があるが、芯は優しく暖かみがあり、当然だが搭乗者の安全を第一に考える。時折高笑いしたりするのを除けば、ワガママ姫と言った風か。困った事に通常起動であればぎこちないながらも自律運動をしてしまうが、これは『ヴァイスハイト』の設計段階では全く想定されていない機能であった。
 固定武装として、120mm連装幻糸砲×1、が肩部に固定されている。また標準携行武装として、ルーンアクス×1、ガトリングガン×2、多目的ミサイル×2、使い捨てチャフ×1、を設定されている。


◇シェァシュテーレン・ケーニッヒ(破壊する魔王/Zeastoren Koning)【元ネタ無し/SS使用予定無し】
 破壊活動を目的とした突式奏甲。プルパァ・ケーファを素体としているが、敵陣のド真ん中までの片道キップ。
 全身の装甲板は非常にぶあつくできており、120mm連装幻糸砲を多少くらったとしても戦闘不能になると言う事はない。まあ、動きの鈍い突式の装甲が厚くなくてどうする、と言う話だが。装甲板には外側に薄く溝が網目状に彫って有り、手榴弾を彷彿とさせる。
 装甲板の下には大量の高威力火薬が仕込まれており、これを使用する事で自爆する事もできる。この際、装甲板は溝に沿って割れ、大量の破片を四散させる事となる。もちろん奏座には脱出装置が標準装備されているが、信頼性は非常に低いと言って問題無い。
 歌術性能と射撃性能は、これより下があるのかと疑いたくなるほど低い。と言うよりほぼ不可能。しかし全力移動時の移動速度と白兵性能は目を見張るものがあり、宿縁同士での起動であればリミッタOFF時には華色装甲とも互角。
 開発中のコードネームは『カミカゼ』だったとか何だとか。
 使い捨てを前提にしているため、武装面ではかなり貧弱である。カトラス×1、グレネード×6、小盾×1。しかし扱おうと思えば大抵の白兵装備は扱える設計である。


◇アインザーム(独り者/Einsam)【元ネタ無し/SS使用予定無し】
 一人身英雄に捧げる間奏曲(ぇ
 歌姫の調律無しに最高レベルまでの起動を可能とするべく、“鬼才”ラクス・ラオネンが唯一手がけた突式奏甲。
 TL2aで入手できる。「プルパァ・ケーファ→アインザーム→メンシュハイト・ノイ」の三段乗り換えができたのはごく一部であったが、「ケーファ→アインザーム」は案外多かったとか少なかったとかやっぱり少なかったとか。
 射撃・白兵・機動、どれを取っても突式としては最上級の性能を誇る。購入費も維持費も最高級だが、それだけの価値はあるだろう。歌術性能は皆無に等しく、戦闘起動支援を受け付けるのが精一杯だが、ローザ同様ノイズには強い。防御面については、ローザより下、キューレヘルトより上。
 最大の特徴は、プルパァ・ケーファやメンシュハイト・ノイなどに見られる歌姫による調律を必要としない特性を持ちながらも、その状態でリミッタOFF状態起動をも可能にしている所にある。
 武装面でもかなりの充実度を見せており、ほぼ全ての白兵武器と大半の射撃武器は使用可能である。初期武装は、カタナ×2、20mmアームガン×2、携帯式ロケットランチャー×1、88mmキャノン×1。


◇シュナイデヴェルクツォイク(刃物/Schneidewerkzeug)【元ネタ無し/SS使用予定無し】
 全身刃物と言った趣の華色奏甲。設計者はラクス・ラオネン。
 人型にフォルムを限定しながらもマリーエングランツやカルミィーンロートに勝てる奏甲、というコンセプトの元に開発計画がスタートされたらしい。が、結果としては非常に微妙であると言わざるをえない。
 手首・肘・肩・頭・膝・爪先の六ヶ所に合計11本ものナイフが取り付けられており、白兵戦(特にくんずほぐれつの格闘戦)に明るいのが最大の特徴。射撃についてもそれなりに性能が高く、手に持つタイプの射撃武器は全て使用可能である。
 背部にはアークウィングの飛翔原理を応用したアークジェットブースターが取り付けられており、これによって急加速や大ジャンプを可能としている。
 攻撃的な性質を持たせたために防御面は多少手薄になったが、アークジェットブースターを取り付けた事による機動力の高さはそれを補って余りある物がある。機動力を活かそうと思えば一撃離脱(ヒット・アンド・アウェイ)が最も有効な戦術か。
 奏座も特殊な歌術が付与されており、内部の人間への慣性を中和する機能が常時起動している。
 起動時間が多少短いのが難点ではある。フレキシブルシャフト型共鳴管と熱放出金属流動溝があるため、炉の出力を無駄にする事は少ないのだが、アークジェットブースターが大きな負荷となっているようだ。
 初期武装は、カタナ×1、サブマシンガン×1、多目的ミサイル×1、カイトシールド×1。




●武器ネタ

◇内蔵型マシンガン
 奏甲の装甲板内部に仕込むためのマシンガン。集弾力、射程、威力、全てにおいて外部に装備するマシンガンに劣っているが、至近距離から浴びせるように使う事を前提にされているので問題無い。

◇幻糸ガトリング砲
 15mm口径に改良した幻糸砲をガトリングガンのように複数束ね、回転発射するようにした物。通常のマシンガンとほぼ同等の集弾力と射程と発射間隔を誇る上、威力は通常のマシンガンより優れており特に貫通力に目を見張るものがある。

◇多連装ミサイルポッド
 小サイズのミサイルを多数内蔵したミサイルポッド。追尾性能こそ皆無に等しいが、弾数でその分を補っている。同時発射可能弾数はおおよそ六発、破壊力そのものはせいぜいフォイアロート・シュヴァルベを叩き落とすのが限度。



●蛇足

◇ラクス・ラオネン(Lachs=Launen)【人物/元ネタ有り/SS登場予定無し】
 ポザネオ(黄金の工房)出身のアーカイア人女性。宿縁は存在せず。
 絶対奏甲技師としては超一流、人間的には超三流。一言で言えば無責任艦長タイラーにおけるヒラガーのようなキャラ。
 人間よりも機械との交流に喜びを見出しており、起きている間は飯を食うか設計しているか計算しているか奏甲をいじっているかのどれかである。また最近ではコンピュータが現世から持ち込まれたため、コンピュータに没頭しているようだ。
 チームに配属されても独りで設計を行い、独りでAIを組み立て、独りで建造してしまう。しかし可哀相な事に誰もそれを矯正できないと来ている。本人も「メカ萌えぇぇっっ!」などと断言しているため、症状は悪化の一途を辿るばかり。
 外見は意外とマトモで、漆黒の長髪と端整な容姿それに黒縁眼鏡(ズレ標準装備)と、現世人相手にはかなりちやほやされそうである。だが性格が性格だけに相手にしていないが。
 ちなみにラクスは主にペア運用を前提にした奏甲を設計するのが得意である。突式の設計が苦手な訳ではなく、食指が働かないだけのようだが。
 『ラクス(Lachs)』は独語で『鮭』。
「あー、はいはい。凡才同士仲良くやってればー?」
「メカ萌えぇぇぇぇっっ!!」