第一話…【最悪な出会い】(下) S. ローラの愛の手当てにより錯乱から覚めた俺はネウスにも礼を言う 「危ないところを救ってくれてありがとう…本当に感謝している。できれば俺のこの状況を知っているのなら教えてくれないかネウス?」 そう言いながら…ヒルダには感謝の気持ちを込めチラっと胸元へ視線を投げつけててやる ソレに気付いたヒルダの眉間には物凄い皺がよった。 ヒルダ「変態が…。お、前を助けようと判断を下したてやったのは私なのだぞ!何故私には礼を言わん?」 何かを堪える声音が聞えたような気もしたが 貧乳の声は聞こえんとばかりに背を向け 「ぶっぼっぷ!」 屁で返事をかましてやる するとヒルダのコメカミに青筋が…物凄くリッパな青筋が浮かびあがる そんな二人を見てネウスは、ため息をつき ローラは困ったように俺を見つめ… ニキータとテレザは見張りをしながらもちらちら覗きに来ている テレザ「隊長はん…恋してまんなぁ〜(はぁと)」 ニキータ「そうカナ…僕には殺したいほど怒り狂ってるようにしか見えないけど…」 テレザ「甘いでぇ!ニキータはん!!!良く考えてみぃや?あの隊長はんが今までにあんな取り乱したりした事なんか無かったやんか?」 ニキータ「そう言われたらそうだけど…でも…アレが恋なんだとしたら僕…嫌だな」 ネウス「ごほん。えぇっと、まぁお前が聞きたいのは何故お前が此処に居るかだな? この世界はアーカイア、今我々は危機に立たされている、見ただろう? あの蟲とその異常な数を、そして死んでいく人々…200年ほど前に今と同じような事があり当時の黄金の姫様が奏甲という兵器の乗り手として異世界から、 つまりお前の世界から沢山の人を召喚したのだ。 今お前が居るという事は再び黄金の姫様によって召喚の儀が行なわれたのだろう…」 「…てとアレか?此処は異世界で、元の世界に帰りたければこの世界で死ぬ気で戦えと」 ネウス「まぁ…そうなるかな?」 「嬉しすぎて涙がでてくる話だな…まぁ今後がどうなるかは知らないが、今を生き残れるかも疑問でわ無いのか?」 ヒルダ「心配はいらんぞ?!我々に危機が訪れたらお前を囮に我々は逃げる!だから安心してローラの為に死ね!!!」 「当たり前だ貧乳!ローラは世界の宝だ!!彼女は俺が守る!」 ヒルダ「わ…私を…貧乳と呼ぶにゃぁぁぁ!!!」 なにやらうるさい魂の慟哭を聞いたような気がしてたが、てきとうに耳を閉じて聞き流す。 ネウスの長い話と説明が終わり辺りを見回すと。 あまり深く考えずに入った建物だが何かの施設なのか?壁は厚く窓には格子が填まり地下へと続く階段まであるようだ。 「此処はいったい何の施設なんのですローラさん?」 ヒルダ「此処か?此処は拘置所だぞ、頑丈で見張り易く、なにかあれば地下へと逃げれる。 泣きそうな顔で無駄に走り回ってたお前には、私が呼んでやらねば辿り着けなかった場所だ。」 何処か得意気そうな顔で聞かれもしないのに貧乳が何かを言ってくる。 ローラ「そうなんですよ♪ヒルダ様が見つけてくださったおかげで私たちも何とか生き延びてるのです。」 その言葉を聞いたヒルダは、満面の笑みを浮かべ『どうだ!』言わんばかりに俺に視線をよこす。 正直ローラさんの話とはいえ信じられない事だった、だがこの無い乳のおかげで彼女が生き延びたのが事実だとしたら……… … 真剣な表情でヒルダを見る。 「すまなかったな貧乳…」 ヒルダ「私を乳で呼ぶな!」 「助けてくれてありがとう」 ヒルダ「………私は…ヒルダだ。」 「ありがとう………乳の無いヒルダ…」 ヒルダ「ゴロス!!!(▽Д▽)凸」 再び剣を抜きやがった貧乳娘!だがそうそうは負てられない、打ち勝つべく便所スリッパを両手に持ち俺は必殺の鶴の構えをとったのだ。 ローラ「仲が良いのは良いですけど英雄様…まだ無理をせず少し休んでいてください。傷にさわります。」 ヒルダ「そうだ、お前が居ると邪魔だ!何なら地下にでも降りて牢獄の中ででも休むと良いぞ♪ベットもあるし毛布もあるぞ♪」 「誰が貧乳の言葉なぞ聞くか!」 決戦の時をむかえ俺の持つ便所スリッパへとオー〇力が流れ込んで行く(ような気がする) ローラ「ソレは良い考えですね♪(にこにこ)ベッドの準備をしますので英雄様、一緒に参りましょう♪」 「はい♪何処までもお供します(笑顔)」 俺の妄想の中で構築されていた〇ーラ力が一瞬で無散し。目に見えない尻尾をさかんに振りながらローラさんの後について行った。 ヒルダ「………」 ニキータ「フケツ…」 忌々しい変態がローラに引き連れられて行くのを白い目で見ながら今後の状況をネウスに相談をする ヒルダ「実際のところ軍の後続部隊は来ると思うか?」 ネウス「可能性は有る…と信じたいですね。町の異常に気付いてから一週間。我々が偵察に訪れてからさらに一週間がたっています。 町の住人は殆どが繁殖に使われてしまったでしょうから蟲の数は数千に近いとかと思われますが…」 ヒルダ「当初、町から逃げ出した人々の話に比べかなりの数が増えていた…。それに近辺の町には数千もの蟲と戦える軍はあるまい…」 ネウス「むしろ犠牲が増え蟲の増加に繋がるでしょうね…」 ヒルダ「困ったな…」 ヒルダ・ネウス「………」 テレザ「でも隊長はん?なしこないに蟲が増えてしもうたんやろか?」 見張りに行ってたはずのテレザも会話を聞きつけたのか話に加わってくる ヒルダ「この街に何か有ると言う事か?テレザ?」 ネウス「例え何かが有ったのだとしてもこの状況では調べようがないだう?幸い食料と水は多めに見つけて有る。」 テレザ「てことは蟲がどっか行くまで籠城なんでっか?」 ヒルダ「まずいのか?」 テレザ「まぁ〜あん方々が放っといてくれるんやったら、ええんと思いますけど…」 窓一面に張りついた蟲達、再び扉を叩く音も激しく数も増えている。 テレザ「こら〜持たんかもしれへん…(汗)」 扉がや格子が大きく撓み壁や窓にもヒビが入る ニキータ「隊長。たくさんの蟲が囲んでてて。建物を壊しにかかってきてます。」 タッタと小走りにやってきて、見たまんまの状況ニキータが報告する。 そうこうしてるうちに扉が破れ、その隙間から蟲が入り込み、積み上げた家財を抜けようとしだしている。 ヒルダ「地下に逃げるぞ!皆急げ!!」 慌てて荷物を掴み階段を下るヒルダ達の最交尾 一人、立ち止まり彼女達の視線が無いのを確認したテレザは、 微笑み、蟲へと弓を向け矢を放った。 放たれたその一射、一射は、積み上げた家財の隙間をすり抜け蟲の眼窩へと吸い込まれる まるで、先程はわざと蟲の急所を外して射ていたといわんばかりに 精確で 容赦が無い 瞬く間に矢を射ち尽くし、蟲達の死体が新たな壁となる そして漂ってきた物の焦げる匂い 匂いを嗅いだテレザはさらに笑みを深めた。 テレザ「予定どうり…」 呟き弓を捨てて皆の後を追いかける。 ヒルダ「テレザ!遅い!!!早く来ないと扉を閉めるぞ!」 瞬間にテレザは笑みを消し慌てた顔を作る テレザ「あぁぁ〜ん(汗)隊長はん!まって〜なぁぁぁ!」 慌て急ぎ走るテレザが扉をくぐるのに合わせ、此処の扉も閂を掛け、重い机などで壁を作った。 ローラさんに案内されてベッドで(備え付けの固い囚人用の物だが)休んでいたのだが、 複数の足音と慌ただしく行き来する女達と重い何かを引きずる音に目を覚ました。 「何かあったのか?」 テレザ「はははっ…、蟲に建物内まで入られてもうたんや(汗)ええっと…」 「神崎だ。さっきは俺に矢を当ててくれてありがとう(にっこり♪)」 テレザ「ヒィィイ。 堪忍やぁ(わたわた)神崎はん、わざとやあらへんのや〜((((((ノ゜凵K)ノアゥ」 「別に怒ってないよ?タスケテクレテアリガトウ(もっと笑顔)」 テレザ「ヒィィゥ!( ̄□ ̄;)!!」 何かを勘違いしてる小娘(無い乳)を無視し、もう一人の女の子(コレも無い乳)にも礼を言う 「助けてくれてありがとう。礼を言うのが遅れてしまったが感謝してる。」 ニキータ「いいよ♪任務だもん。でも助かって良かったね♪。」 正確にはまだ助かっては居ないのだが、彼女と話していると焼ける匂いに気付いた。 扉に近付き 「何か燃えてるみたいだね…誰か火を?」 ニキータ「ランタンを二〜三一個、置いてきちゃったからソレぢゃないかな?」 ヒルダ「火が建物に回っても地下なら大事にはなるまい?むしろ瓦礫と炎が上手く蟲を阻んでくれたら助かる」 ネウス「そうですね…ただ閉じ込められてしまいましたが」 ヒルダ「こうなってしまっては、しょうがない。水と食料を分配して救助を待つ。」 「俺にも分けてくれるのか?」 ローラ「当然ですわ英雄様♪」 ヒルダ「お前の分はパン一切れと水一袋だ(優しい笑顔)」 ローラ「えっ?」 「本気か?」 本気だった… それから救助にあうまでの一週間。 俺が口にしたのはパン一切れと水一袋だけだった… これが俺のアーカイアで最初に過ごした一週間、この時は解らなかったのだが…後の歌姫との最初の出会い……… |