設定集 レグニス・ハンプホーン 男 十七歳 機奏英雄 現世のとある国で作り出された、軍事用生体兵器であり改造人間。 ハンプホーンタイプと呼ばれる改造を受けており、常人を遥かに越えた身体能力と、それを制御するための技をもつ。 強靭かつしなやかな体を持ち、前線戦闘に優れる改造人間である。 性格はほとんど凍結していたが、ブラーマやコニー、他の人々と触れ合う事で、 少しだけではあるが軟化してきているようだ。 ただ、それでもぶっきらぼうかつ無愛想、朴念仁なのは相変わらずであるが。 戦闘能力は非常に高く、常識はずれの身体能力と洗練されたナイフ戦の前に敵になるものは少ない。 また脳にあるというリミッターを自在に制御し、潜在能力を引き出す、通称「覚醒」を使いこなす事も出来る。 ブラーマに対する想いが、最近変化してきているようだが、レグニス自身もそれが一体なんなのか、 何を意味するのかイマイチ気付いていない。 なお、頭髪の一部が変色しているのは「覚醒」ための脳改造手術の後遺症らしい。 「……気迫だけでどうにかなるとは思えんが……まあいい、やるか」 ブラーマ 女 十六歳 歌姫 いつもちょっと変わった口調で話す、ハルフェアの田舎町出身の少女。 濃い青髪をポニーテールにまとめてるのが特徴。 幼いころから各地にある学院施設を渡り歩き、知識を深めていた。 レグニスに変わって対人面を受け持ったりと、 前々から面倒見はいいほうであったが、コニーを拾ってからその傾向はさらに加速。 すっかり世話焼きお母さんになってしまっている。 真面目で直線的な性格をしてはいるが、意外にも融通は利く。 ブラーマにとって頭がいいとは知識ではなく、柔軟な思考の組み合わせにあると考えているからである。 ただ、惚れているレグニスのこととなるとどうにも素直になれずにいる。 普段接する分にはいいが、一端思考がその方面にはまると果てしなく動揺し、空回りを繰り返す。 コニーを連れているためどうかはわからないが、最近スタイルがちょっと成長してきた。 「うむ、私はそれでいいと思うぞ、レグ」 コーニッシュ 女 0歳 乳幼児 レグニスとブラーマが旅の途中で拾った乳幼児。愛称はコニー。 二人を本当の両親と思っており、なついている。 初めは施設に預けようとしたが、コニー自身が泣いて嫌がったので連れて行く事となった。 またその際養子縁組をしたので、事実上ブラーマの娘となっている。 実は特殊な歌術を扱う血筋のもので、範囲内の歌術を無差別に打ち消す歌を歌うことが出来る。 もっとも、赤ん坊に過ぎないコニーにそれを意識して使ったり、コントロールする事は出来ない。 最近はほんの少しだけだが言葉を覚えた。 「だぁ? れ〜ぅ、ぶやっ!」 ブレッグ・ロックホーン 男 十九歳 機奏英雄 レグニスと同じ国で作られた、軍事用生体兵器であり改造人間。 ロックホーンタイプと呼ばれる改造を受けており、肉体的な能力ではレグニスに劣るものの、 動体視力、反射神経、空間認識能力などに優れた、車両や航空機などの操縦を主とするタイプの改造人間である。 戦う事にこそ生きる目的を見出す、正真正銘の狂人。 ブレッグにとって勝敗や戦うための理由や目的は意味の無いものらしい。 それは自身を戦うための兵器である、と認識しているためである。 常に他者を小ばかにしたような態度をとっていることからいらぬ反感を買いやすいが、 それでも現世騎士団でひとかどの地位についている実力者。 なお、命を削る激戦も好きだが、弱いものを狩るのも好きである。 「兵器に理由はいらん。ただ壊れるまで戦えりゃいいんだよ」 エルミア・ディム 女 二十歳 歌姫 評議会に認定された正規の歌姫。 英雄不要論に同意し、自由民へと身を投じるが、任務中ブレッグに敗れて捕虜となる。 その後宿縁抑制処理を施され、半強制的にブレッグのパートナーとさせられる。 性格は冷静……というより冷め切っているといえる。 常にどこか達観したものの見方をしており、現状もそうなってしまったと割り切っている。 歌姫としての能力は非常に高く、歌術運用がほぼ不可能な鬼焔においても、 抜け道的な方法を駆使して歌術を行使して見せるほどである。 現在は、強制的とはいえペアを組んでいるブレッグに何かと興味があるようである。 「あなたという英雄が、なにをしたいのか、どこまでいけるのかを見させてもらうわ」 ハン・セムトラ 女 二十九歳 奏甲職人 エタファ郊外にある分工房のうちの一つ、「うぐいす庵」を預かる工房長。 ただし他者には工房長ではなく「親方」と呼ばせる。 豪快で大雑把な女性ではあるが、職人としての腕前は文句のつけようがない。 同じ職人の二つ年上の姉がいるのだが、数年前に工房をハンに任せてふらりと出て行ったっきり行方知れず。 好物は甘味とお酒で、いくらでも入る脅威の胃腸を持っている。 なお、奏甲や武器に和名をつける癖がある。 「よっしゃ! 一気に仕上げるよ、お前達!」