悠然なる旅路 超短編集


その1「完璧系美女、フローネの弱点」

「悠然君、久しぶりに料理してみたんだけどスープの味見してくれないかな?」
「えぇ。別にいいですよ。ズズズ…うぅっ!?」
「ど、どうしたの!?顔青いわよ!!」
「ちょ、ちょっとトイレに…」



その2「原因」

「おかしいわねぇ…。味噌って腐らせた大豆って聞いてたのに」
「お姉ちゃん…ただ腐らせただけじゃ駄目だよ…」



その3「その破壊力」

「嘘っ!?カビパン食べて平気だった悠然さんが食中毒を!!」



その4「たまにはこんな日も」

小雪ちゃん、算数のお勉強中。
「お兄さん、ここ…どうやって解くの?」
「ここはこうやって分割して…」
「それじゃ…こう?」
「そうそう」
オチ無し。



その5「由宇羅、夜の楽しみ」

ある日、由宇羅の個室の中にて。
チャラチャラ…
「一枚…二枚…三枚…ふふふ、今日も貯金がこんなに♪」

「小遣いくれないから金ないのかと思ってたら、あんなに貯金を…(こそこそ)」
「きっとアレ、全部悠然君の小遣い削った分よ(こそこそ)」

「―はっ!?誰です!!」



その6「夜の秘め事」

「はぁっ…うぅん…」
「どう小雪ちゃん、ここ気持ちいい?」
「う…うん」

「ふ、2人とも何してるんですかっ!…って、あれ?」
「何って、耳掻きだけど。由宇羅もしてやろうか?」
「え?…あ。お、お願いします」



その7「由宇羅のお料理教室」

「それじゃフローネさん、まずは包丁の使い方から行きましょう」
「分かったわ。この野菜を切ればいいのよね?」
「はい。それと少しレベルが高いですけど、この魚を三枚に下ろして下さい」
「むむむ…魚は少し難しいけど頑張るわ」
「では出来たら呼んで下さいね」

「出来たわよ〜」
「どれどれ…。野菜はきちんと切れてますね。魚は…え?」
「どう?ちゃんと3枚に切ったわ」
「頭まで三枚に…どうやって?」



その8「無駄」

「なかなか切れないから歌術で包丁の切れ味あげちゃった♪」
「なんて無駄な…」



その9「大掃除」

「悠然さん、ちょっとこの家具動かして下さい」
「はいはいっと」

「悠然君、これ少し持ち上げててくれない?」
「は、はい」

「お兄さん、あの荷物届かないから取って…お願い」
「オ、オッケ〜…」

「悠然さんの部屋だけ片付いてないじゃないですか。何してるんですかもう」
「サボるのはよくないわよ、悠然君」
「お兄さんサボってたの…?」
「男手が1人って事忘れてない?皆…」



その10「お風呂は…」

悠然、薪で風呂沸かし中。
「ふぅーっ、ふぅーっ!」
「いい温度になりました〜!もう温度上げなくてもいいですよ〜!」
「いつもご苦労様〜」
「ご、ご苦労様です…」

その後。
「やっぱりお風呂はいいですね〜。入っていいですよ」
「ヌルい…たまには熱い風呂入りたいな」
誰も風呂暖めてくれず。



その11「悠然読書中…?」

「〜〜♪」
「あれ、珍しいですね読書ですか?」
「たまにはね」
「えっと本は…『絶対奏甲カタログ』?しかも古い…」



その12「墓穴」

「そんなんじゃなくて普通の本読んで下さいよ。恥ずかしい…」
「だったら小遣いくれ」
「あ…」



その13「男ならしゃあない」

風呂の火の番をしてる時…
「きゃいきゃい…パシャパシャ…」
「(うぉぉ!止まれ妄想!!)…あ、鼻血が」

「…む、邪悪な思念が?」
意外と2人のリンクは高かった。



その14「小雪ちゃんのお料理教室」

「お姉ちゃんに教えるのは…ちょっと無理」
「小雪、そこまで言い切らなくても…」
「だって、前に教えた時…」
「私が悪かったわ、お願いだから言わないで」
何があったかは、2人のみぞ知る。

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